狂犬病予防法違反の疑いで男を逮捕

引用の出典元:www.facebook.com

2018年2月19日、宮崎県都城署は、戸越英美容疑者(73)を狂犬病予防法違反の疑いで逮捕しました。

ひとり暮らしの戸越容疑者は、宮崎県都城市高崎町大牟田の自宅約500坪の周囲に板などで囲いを作り、70~80匹の犬を飼育していました。

数匹を除いて、登録や狂犬病予防注射をさせていなかったことが直接の逮捕容疑です。犬に噛まれる被害はなかったものの、鳴き声や不衛生な状態は相当なものだったとのこと。

ニュースでは、保健所が何度も男に登録や狂犬病予防注射をするよう指導したものの、一切従わなかったことで逮捕に至ったと放送されました。

ニュースだけでは、「無責任なおじいちゃんが逮捕されたんだね」と軽く見流してしまうかもしれませんが、実は、逮捕に至るまでには動物愛護活動家らのひたむきなまでの尽力があったのです。

無責任な大繁殖が発覚したのは1年前

引用の出典元:www.facebook.com

2017年の春、「犬を無責任に大繁殖させている人がいる」という情報を得て真っ先に動いたのは行政ではなく、動物愛護活動家たちでした。

最初に情報を得たのは、宮崎で美容室を経営する一方で、保護犬を面倒看るためのドッグラン『咲桃虎(さくもんと)』運営や譲渡活動をしているCaoriさんです。

多頭飼育の惨状を知ったCaoriさんは、日頃から連携する広島県の『NPO法人 犬猫みなしご救援隊』の代表に連絡を入れ、一緒に現状を見てもらうことに。

当時訪れた際、80頭余りの犬たちが見るも無残な状態で飼育されていました。ネズミの死骸が転がり、不妊・去勢手術をされていない犬たちは始終ケンカに明け暮れている有様です。

犬には名前もなく、みな痩せ細り、疥癬やマラセチアで脱毛している犬が多かったと言います。眼球が委縮している犬もいるなど、まさに飼い殺し状態だったのです。

エサは地面に撒き散らかして与え、飲み水に至っては青苔が生えた状態にもかかわらず、「わざわざ葉緑素を与えているんだ」と言い訳する始末…。

ご飯の時ばかりは犬たちはケンカをする余裕もなく、命をつなぐために懸命にドッグフードに食らいつくしかありませんでした。

Caoriさんと犬猫みなしご救援隊の代表は管轄の都城保健所に連絡を入れるとともに、飼い主に全頭を引き取らせてくれないかと相談します。

当初、戸越容疑者は応じるかのような様子を見せたのですが、結果的には態度を豹変させ、引き上げることは叶いませんでした。



■84匹もの不妊・去勢手術が行なわれた!



引用の出典元:Caori Yamashita

これほどまでに頭数が増えてしまった原因は、不妊・去勢手術をせずに野放しにしていたためでした。

彼女たちは飼い主了承の元、不妊・去勢手術を行うことを決意します。

2017年4月19日、Caoriさんや犬猫みなしご救援隊、さらには関東を中心に不妊・去勢手術の推進や愛護活動をする『ちばわん』のボランティアスタッフたち立ち合いの元、複数の動物病院の協力を得て84匹もの不妊・去勢手術が行なわれました。

たった1人の身勝手が動物から幸せを剥奪し、多くの人たちに迷惑をかけるという典型的な事例です。

動物愛護活動家の熱意の結晶が行政を突き動かした!

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無責任な飼い主から犬たちを引き離さなければいけないと、CaoriさんやNPO法人 犬猫みなしご救援隊の代表は何度も都城保健所に何度も足を運ぶものの、のらりくらりと一向にやる気を見せる気配がありません。

動物愛護活動家たちと行政との認識の温度差が埋まらないまま、あっという間に数カ月が経過してしまいます。

業を煮やした彼女たちは、2017年8月21日、宮崎県知事に対し「狂犬病予防法及び動物の愛護及び管理に関する法律」に違反している飼い主に対し適切な対応をとるよう要望書を提出。

同時に宮崎県都城警察署長に告発状を提出しました。あとは行政が動いてくれることを信じるしかありません。

そして遂に、やる気のなかった行政が動き始めました。

登録や狂犬病予防注射の義務を無視し、個人で飼育するにはあまりにも多い犬の数、適正な飼養を怠ってきた飼い主を逮捕するに至ったのです。

彼女たちが動き始めてから、実に1年近くが経っていました。

実は、戸越容疑者は以前住んでいた宮崎県小林市野尻町でも大量に犬を飼育しており、大家さんから追い出された経緯があるとのこと。その際にも様々なトラブルがあったということですから、実際、今回の逮捕は遅すぎた感も否めません。

ちなみに、宮崎県都城市と言えば、「ふるさと納税」で1位になった市でもあります。動物愛護活動家たちは、「動物愛護でも都城に続け!」と全国の行政が積極的に動いてくれることを期待しています。

犬たちの将来を考えると安堵できない

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戸越容疑者逮捕により、保護された犬の数は70頭を超えているとのこと。84頭の不妊・去勢手術を受けさせた事実から考えると、十数頭は死亡してしまったと思われます。

Caoriさんからの情報によると、今のところ証拠物件である70頭以上の保護先は明かされておらず、一般人が直で里親になるのは難しいとのこと。

さらに、逮捕で一見落着かと思えた今回の事件ですが、逮捕からわずか6日後には、戸越容疑者はお気に入りの犬に登録と狂犬病予防注射を済ませ、すでに何匹かの犬を自宅に連れて帰っているとの情報も飛び込んで来ました。

いったい、動物愛護管理法はなにを基準に作られているのか、まったく意味不明です。罰則の強化がより一層求められるのではないでしょうか。

そして、いつも残る課題は犬たちの将来です。

今後は、Caoriさんが運営する咲桃虎で、1匹でも多くの犬たちを引き出せるよう準備したいとのことですが、これだけの頭数ですから課題も多く残されているのが現実です。

ドッグフードは犬猫みなしご救援隊からの支援が決定しているものの、咲桃虎内に新たに塀や犬舎を作るための資金を用意しなければなりません。

さらに、保護犬たちの治療や、永遠の家族となる里親さんに結びつける必要もあるのです。



■尽力する動物愛護活動家に感謝と協力を!



いつも縁の下の力持ちとして労力や時間、資金を捻出するのは動物愛護活動家です。

さらに忘れてはいけないのは、協力してくださる獣医さんたちの存在があります。今回、84匹に不妊・避妊手術をしてくださった獣医さんたちを紹介します。

山口獣医科の山口院長、きもと動物病院の木本院長、いなば動物病院の稲葉院長と尚子先生です。

最後に、日夜動物愛護活動を熱心に続け、今回の逮捕に尽力してくださった活動家のみなさんのサイトを紹介しますので、お時間のある方は訪れてみてください。

私たちにも、なにか1つでもできることがあるかもしれません。それは寄附だけではなく、犬猫の一時預かりボランティアや犬猫たちを運搬するボランティア活動かもしれません。

ひとり一人が動物愛護活動に興味を持ち参加することで、1匹でも多くの動物たちの命が輝くような世の中にしていきたいですね。

■Caoriさん運営シェルター・咲桃虎
■NPO法人 犬猫みなしご救援隊
■ちばわん

無料で動物保護団体を支援する

協力:NPOを無料で簡単に支援できる!gooddo

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