ピットブルに似ているだけで強制連行!

引用の出典元:www.facebook.com

北アイルランドで暮らしているレオナード・コリンズさんとジョアン・メドウズさんは、2歳の愛犬"ハンク"と暮らしていました。

2016年の7月14日、仕事先から自宅に戻ると愛犬ハンクの姿はどこにもなく、あったのは1枚のメモ。そこには『通報により、ピットブルを強制連行した』と書かれていました。

北アイルランドでは、ピットブルが危険犬種だと指定されており、飼育することが許されていません。しかし、ハンクはスタッフォードシャー・ブル・テリアとラブラドールのミックスにもかかわらず、警察官と犬監督官によって強制的に連行されてしまったのです。

イギリスが原産地のスタッフォードシャー・ブル・テリアは、19世紀後半にアメリカに持ち込まれ闘犬としてアメリカン・ビット・ブル・テリア(通称ピットブル)に改良された経緯があります。

ハンクの容姿がピットブルに似ていることから、近所の人が通報したのです。そして、強制連行の先には殺処分が待っています。

我が子も同然のハンクを助けて!

引用の出典元:www.belfastlive.co.uk

飼い主のレオナードさんとジョアンさんは、わが子同然に愛しているハンクを返してほしいと懇願しますが、会うことさえ許されませんでした。

マイクロチップも装着し去勢やしつけもきちんとしているハンク。子どもとの遊びも大好きで本当にお利口な犬なのに、なぜ殺処分されなければいけないのか。

わが子を奪われた飼い主さんは理不尽さと悲しみに心が押しつぶされそうになったものの、『Save Hank/ハンクを助けて』というフェイスブックを立ち上げ、世界中にこの現実を発信しました。

そして、ハンクを取り戻すためには国を相手に裁判を行う必要があること、ハンクがピットブルではないことを証明できれば、再び家族として暮らせることを知ります。

しかし、裁判費用は約15,000ポンド(約200万円)を超えるため、寄付を呼び掛けることにしました。その結果、世界中から「ハンクを助けてあげられるなら!」と、目標額を超える寄付金が集まったのです。

ハンクの救済運動は世界中に広がり、多くの人たちがツイッターやインスタグラムでハンクが家に帰れるようメッセージを発信してくれました。

メディアもハンクが無謀な理由で強制連行された現実を報道し始めます。あのディズニーランドの電光掲示板にも『Help Save Hank』の文字が書かれ、救済運動に参加しました。

さらに著名人たちも動き出し、ハンク救済に向けて30万人近い署名が集まります。裁判の結果、愛犬ハンクは無事、家族の元に戻ることができました。

しかし、ハンクは奇跡的に助かったケースだと思われます。すでに殺処分されてしまったピットブル似の犬たちがいることを、私たちは忘れてはいけないのです。

カナダでもピットブルの魔女狩りが!?

2016年9月27日、カナダのケベック州最大の都市モントリオールで、ピットブルやピットブルの血が入っている犬種を飼育することを禁止する条例が新たに作られました。

もちろん理由は危険犬種だからというものです。条例の施行日である10月3日以降は、モントリオール内のシェルターにいるピットブル系の保護犬はすべて殺処分されることが決まっています。

現在飼育されているピットブル系の犬種に関しては、散歩時の口輪装着、1.25メートル内のリード、150ドルの登録料の支払いが課せられます。仮に1つでも違反したら即刻殺処分されるという、あまりにもバカげた条例です。(現在、この条例の施行は延期になっています。)

犬を理解していない人間の決めた条例に、「これは違法である!」とモントリオールの動物保護施設・SPCAが立ち上がりました。

多くの犬の命が危険にさらされているこの条例ですが、SPCAのスタッフは「実際、ピットブルの血が入っているかどうかを確定することは事実上不可能です。もし、無理やり当てはめようとするなら、雑種犬の90%が該当してしまうでしょう。」と語っています。

現在シェルターに保護されているピットブルと外見が似ている犬たちの一部は、なんとかモントリオールから連れ出して別のエリアの施設に移動できました。

愛犬家や動物愛護団体、さらには著名人を巻き込んで世界中で反対運動のムーブメントが起き始めます。

ケベック州の獣医師らは「私たちは健康で何ら問題のない犬たちを道徳的・倫理的に安楽死させることに反対します。私たちは断る権利を有しているのです。」と抗議をしました。

犬種に罪はない!人間に問題あり!

引用の出典元:www.flickr.com

そもそも、ピットブルのミックスであろうが純血であろうが、強制的に殺処分するのは明らかに政府の方針は間違っています。ピットブルを作出し、人間の欲望のままに闘犬にしてしまったことが問題なのです。

ましてや、ピットブルに容姿が似ているだけで対象とするバカげた法律や条例は、常軌を逸しているとしか思えません。

現在ピットブル系の犬と暮らしている人たちは、常に殺処分という恐ろしい足かせを余儀なくされています。家族にしてみれば、「外出時に愛犬が強制連行されてしまうのでは」と、どれだけの恐怖を抱えながら生活しているか計り知れません。

日本でも茨城県では危害を加える可能性があるとして次の犬種が指定されています。秋田犬、土佐犬、ジャーマン・シェパード、紀州犬、ドーベルマン、グレート・デーン、セント・バーナード、アメリカン・スタッフォードシャー・テリアです。

これらの犬種は"特定犬"の標識シールを掲示し、檻の中で飼育するよう求められています。もし、こういった犬種が何らかの流れで危険犬種となり殺処分対象になってしまったら、と考えると空恐ろしいです。

確かに小型犬に噛まれるのと大型犬に噛まれるのでは、ダメージは大きく異なります。時に死亡事故が発生するのはやはり大型犬のケースが多いのも事実です。

しかし、それは犬種のせいではないはずです。犬種の持つ特性やその犬の個性を理解していない人間が誤った飼育方法をするせいなのです。

取り締まるべきは犬種ではなく、飼育責任を持つ人間なのではないでしょうか。そして、どんな犬種であっても簡単には入手・飼育できない制度を作ることこそ、こうした不幸を無くすための解決策になると思います。

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この記事を書いたライター

Tsunayoshi ひまわり
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