たくさんの死を見てきた8歳の少年

引用の出典元:www.facebook.com

シリアでは2011年に勃発した紛争が未だ収まらず、赤ちゃんから高齢者まで命がけで近隣諸国へと避難し続けています。

8歳のフセイン君も祖国シリアを捨て、命からがらトルコへと移動してきました。「移動」といっても日本人には想像もできないほど過酷なもの。

死と隣り合わせの冷たい海を渡り、食べ物も水も満足に飲めずに歩き続け、ようやく隣国のトルコに辿り着いたのです。

幼い彼にとってはあまりにも辛い、たくさんの「死」を見てきたことでしょう。それでもフセイン君は人を思い、動物を愛する心は決して失ってはいませんでした。

逆に、多くの苦難を乗り越えてきたからこそ、命の大切さを実感していたのでしょう。

「死なないで…」野良犬を励まし続ける少年

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フセイン君と家族が身を寄せ合って暮らすのは、トルコ南部のキリス。

ある日、家の近くの道路の中央分離帯に、交通事故で怪我を負った野良犬を発見します。

フセイン君は犬のそばまで駆け寄りました。犬は目を閉じたまま震えるばかりで、まったく動く気配がありません。

8歳の少年にはどうすることもできず、近くを通りかかった大人に助けを求めました。

そして、避難してきた道中に自らが体験したことを思い出したのでしょう。

「犬に毛布をかけてあげなくちゃ!」

急いで自宅に戻ると自分の毛布を掴み、犬の体にかけてあげたのです。フセイン君は犬の頭をそっと撫で、救助が来るまでずっと犬を励ましていました。

少年の目の前でまた1つの命が…

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その後、現地に専門の動物ケアワーカーが到着し野良犬を動物病院へと連れて行きます。しかし、少年の励ましに応えることなく野良犬は亡くなってしまったのです。

そのことを聞いたフセイン君は、守りたかった大切な命が消えてしまったことを嘆き悲しみました。

野良犬を包んだ毛布の代わりに

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彼の心優しい行動は、地元メディアによって報道されました。トルコの人々はシリアから来たフセイン君たち家族を温かく受け入れています。

後日、副市長はフセイン君の家を訪れます。

「ある人にとっては、大したことのない行動に見えるかもしれないが、それは人類にとって最高の精神だ」と称賛し、彼に新しい毛布をプレセントしました。

野良犬に毛布をかけて見守るのは、誰にでも簡単にできることかもしれません。しかし、着の身着のままでトルコに来たフセイン君にとって、毛布は寒さから身を守る大切なもの。

それを惜しむことなく、痛みで震えている犬の体にかけてあげるという行動は、私たちの想像以上のことかもしれません。

紛争を続ける大人たちは、フセイン君の「利他の精神」を学んでほしいものです。フセイン君が大人になる前にシリア紛争が終結し、祖国に帰還できることを祈ります。

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