ひとりの画家の人生を変えた数字

引用の出典元:jp.pinterest.com

マーク・バローネは、30年以上のキャリアがあるアメリカ人の画家です。彼とパートナーのマリアナ・ダーバンはある日、恐ろしい事実を知ってショックを受けます。

それは、全米中のハイ・キル・シェルター(殺処分が頻繁に行われるシェルター)で毎日約5500匹の犬(猫については、その倍近くの約11000匹)が、シェルターのスペースがないという理由で殺処分されているという事実でした。

そして同時に、われわれの社会がどのように野良犬や飼育放棄されたコンパニオン・アニマルを扱っているかという詳細をも知りました。

その日以来、ふたりの人生は完全に変わりました。ふたりはシェルターで安楽死させられた犬たちの絵を描くことと、犬猫にノー・キル(殺処分なし)のシェルターを提供することを人々に訴えることに人生を捧げることにしたのです。

きっかけは彼の愛犬の死

バローネには、サンティナという愛犬がいましたが、22歳を過ぎて亡くなってしまいました。半年以上経ってもペットロスから立ち直れないバローネでしたが、マリアはオンラインで里親になれる犬がいないかを探し始めたのです。そこで彼らが学んだのは、驚愕する事実の数々でした。

ボランティアのスタッフの惜しみない努力にも関わらず、シェルターで多くの犬たちが恐ろしい手段で安楽死されていること。時には、ボランティアのスタッフが犬を引き取りに行く途中で時間切れとなり、犬たちが殺処分になってしまうこと。

また、動物保護の慈善活動とは名ばかりで、常に何らかの政治が絡んでいること。一方で、ボランティアのスタッフや、フォスター・ペアレンツたちは限られたなけなしの資金をやり繰りして活動していること。

そして疑問に思いました。たびたび行われる『数え切れないほどの大がかりなチャリティー』で集まった寄付金は、一体どこへ行ったのだろう?と。

自分たちが今まで無知だったことを深く反省したふたり。しかし、きっと世間のほとんどの人たちも自分たちと同様、無知に違いないと確信するのです。

そこで、ふたりが思いついたのは、安楽死された5500匹の犬の絵を描くことで社会に訴えて行く方法でした。

バローネは、アートには人の心に訴え掛ける力があると信じています。そして彼は語っています。「アートは心から追い出したり、見なかったことにはできない。人は困難なことに目を向けたくないもの。なぜなら、そうすれば、何も感じなくて済むから。でも、何も感じないのは、何もしないのと一緒なんだ。」

プロジェクト『An Act of Dog』

引用の出典元:jp.pinterest.com

ふたりが2011年に開始した生涯に渡るプロジェクトの名前は、『An Act of Dog』。5500枚の絵を描き、保存するのに十分なスペースを確保するため、活動場所をサンタフェからケンタッキー州ルイビルに移しました。

早速ふたりがシェルターで安楽死させられた犬たちの情報を集め始めると、瞬く間にその話が口コミで広がりました。ボランティアのスタッフたちの協力で、全米中の殺処分された犬たちの写真が送られてくるようになったのです。

シェルターでは、犬たちは名前ではなく、番号で認識されていました。しかしその情報を元に、全ての絵に犬の名前と安楽死させられた日付を入れています。バローネによって、彼らが確かに生きていたという証を残すことが可能になりました。

バローネは言います。「どの犬も唯一無二の存在で、それぞれにストーリーがある。絵に名前を付けることで、人の心の深層部分に触れることができる。もし5500枚もの犬たちの絵に囲まれたら、僕が1日にシェルターでどれだけの数の犬たちが殺処分になるかを数字で語るより、絶対にインパクトが強いはずだ。」

困難にも負けず、プロジェクト完成!

引用の出典元:anactofdog.org

バローネが4995枚の絵を描き上げ、プロジェクト達成寸前に、彼らに不運が襲います。嵐によって1000枚にも及ぶ絵がダメージに遭ってしまったのです。彼らの心身ともの落胆は大きく、プロジェクトの修復に老後のために蓄えていた資金も使い果たしてしまったそうです。

しかし、数々の助けを受け、2014年秋に彼らのプロジェクトはついに完成しました。

5500枚の絵が飾られているMuseum of Compassionでは、バローネが手掛けた犬たちの絵のポスターやTシャツなどが販売されています。売り上げ金は、すべてシェルターに寄付されるとのこと。

バローネによって描かれた犬たちは、とても深淵で悲しい目をしています。言葉は話せなくても、彼らの目が心境をすべて語っているかのようです。まるで彼らは、死の直前に彼らを待ち受けている運命を悟ってるように見えます。

バローネの絵が持つ力は大きく、愛犬家のみならず、多くの人の心を揺さぶるものがあります。5500匹もの儚く消えて行った命の絵。一度目にすると、脳裏から離れることはありません。

それこそがバローネの生涯を掛けた使命です。現状打破のために、我々ひとりひとりが出来ることは小さいかも知れません。しかし、目を背けたい悲しい現実を知り、できるだけ多くの人にそれを伝えて行く…まずはそこからスタートしてみませんか?




参照:Artist Mark Barone Paints Portraits of 5,500 Euthanized Dogs to Raise Awareness About the Plight of Shelter Animals
参照:Artist Mark Barone’s Portrait Project: 5,500 Shelter Dogs Who Are Gone, But Will Never Be Forgotten

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