辛い状況下で見つけた愛犬との暮らし

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パワーハラスメントは許されない行為だと認識されるようになったのは最近のこと。Mayumiさんがアルバイトから店長に抜擢された当時は、上司からのパワハラは日常茶飯事でした。

抱えきれないほどの重圧は彼女の体を蝕み始め、とうとう悲鳴を上げた体はリウマチを発症してしまったのです。

店舗での現場作業は無理だ、と勝手に事務職に配置転換されましたが、何事も人に流されて我慢ばかりの自分自身に嫌気がさしていたと言います。

そこで彼女は自らの人生を見つめ直し、以前から考えていた「犬との暮らし」を実現するべく動き始めます。

共に暮らすなら「ブルドッグ♪」と決めていたMayumiさんが色々と調べ始めたところ、人からの紹介でゴールデンレトリバーのブリーダーさんに行きつきました。

ブリーダーさんのペットがたまたまブルドッグで、ちょうど女の子2匹と男の子1匹が産まれたところだったのです。子犬たちの中で体が一番小さくて弱っちい男の子は、女の子2人に踏みつけられていました。

これが、のちにMayumiさんと暮らすことになる"オースチン"との出会いでした。辛い状況下に置かれた自分の姿と重り、「この子ほっとけないなぁ…」とMayumiさんは感じたそうです。

波乱万丈!愛犬との日々に癒されて

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■奥がオースチン、手前がビンス

オースチンとの暮らしが始まって1年近く経ったころ、Mayumiさんはお母さんの病院の付き添いでどうしても家を空けなければならず、オースチンを1人で留守番させることに。

「すぐに帰って来るからね、大人しく待っててね」そう言い残して家を出たのですが…。帰宅後早々にオースチンのいるケージを覗き込んだ時、そこには排せつ物にまみれて悲しい目で待っているオースチンがいたのです。

衝撃の光景に「オースチン1人じゃ可哀想…」と感じたMayumiさんは、2匹目のオスのブルドッグ"ビンス"を迎え入れました。

当時はまだ珍しいブリンドル柄といかめしい顔付のビンスに少々ビビったというMayumiさんでしたが、「この子達、明日は四国に行くんだよ」と聞いた瞬間、「離れたくない!!」と直感したそうです。

ビンスは子犬にもかかわらず、先住犬のオースチンを怖がるどころかフードボールに顔を突っ込んだり、くつろいでいるオースチンの場所を占拠したりと、かなりの大物ぶりを発揮します。

一般的に「ブルドッグは散歩が苦手」と言われていますが、2匹は散歩が大好きなワンコに成長しました。しかし、暑さに弱いブルドッグだけに真夏のお散歩ではヒヤッとするような体験も。

いつもより少しだけ生ぬるい風が吹いていたその日、2匹のお散歩を終えて帰宅した直後のことです。なんと突然ビンスが白目をむいて泡を吹きだしたのです。

もう濡れタオルでは間に合わず、最後はバケツの水をバシャ~ッとかけて難を免れました。突然死が珍しくないブルドッグだけに、その日以来、夏の散歩はしなくなりました。

さらに、飼い主として心が打ち砕かれるような出来事が連発してしまいます。それは、オースチンとビンスを連れての散歩のときでした。

「うわぁ、怖い、怖い」「人通りが多い所を歩かなくても」と嫌な顔をする人たちや、小型犬を連れた飼い主がサッと犬を抱き上げて逃げるようにして去って行くのです。

オースチンもビンスも、ただ仲良くしたりじゃれたりしたかっただけなのに…。Mayumiさんは、散歩コースを変更し時間をずらさざるを得ませんでした。

自分自身の病気や両親の面倒、愛犬2匹の面倒にと忙しくなったものの、Mayumiさんの心はいつしか愛犬2匹に癒されていきます。

ガジガジが大好きな最強コンビ♪

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「オースチンとビンス」というカッコイイ名前の由来は、Mayumiさんの超ド級のプロレス熱から来ています。

「自由奔放で決して人に流されない強い精神を持つオースチンが、上司のビンスをぶっ飛ばす」という、敵対する名コンピのプロレスラー名を付けました。

実際のオースチンは、のんびり屋で我慢強く、誰にでも優しくできる良い子です。それに対して、ビンスはなんでも自分が一番でないと気に入らない、ツンデレのワガママいっぱいの子。

オースチンとビンスの名コンビを乗せてのドライブでは、オースチンの指定席の助手席をビンスが奪ってしまいます。それでもお兄ちゃんは弟のワガママにも我慢強く対応してくれたそうです。

ブルドッグ2匹はせっかく買ってくれたオモチャには目もくれず、海辺を歩けば流木をガジガジ、田んぼのあぜ道を歩けば置いてあるコンテナをガジガジ・・・。ガジガジが大好きなのはブルドッグの特徴ですね。

散歩から帰ったら、床にドテーっとお腹を付けてゴロリンコ。2匹が寝ている隙に、Mayumiさん至福のブラッシングタイムが始まります。

そんな2匹はなかなかのコンビネーションぶりを発揮して、10年以上も上手く暮らしてきました。しかし、無情にもコンビ解消のときが来てしまいます。


2匹のコンビネーションに終わりが来て…


2016年10月29日、オースチンは12歳8カ月で「虹の橋」を渡りました。オースチンの喉にはゴルフボール大の腫瘍が3つあったのです。

かつてオースチンが背中の痛みで病院を訪れた際、スタッフさんを噛んでしまったことがあり、それからはいつもエリザベスカラーを付けて診察を受けていたことが発見を遅らせてしまいました。



それに気付くことができなかったMayumiさんは、今でも深く後悔していると言います。「オースチン、耐えられなくなるまで気付いてあげられなくて本当にごめんね」と…。



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みなさんも経験しているように、犬を飼っていると本当に後悔したくなる出来事ばかりですよね。

それでもいつまでも飼い主が悲しい気持ちを引きずっていると、天国に逝った愛犬は同じ悲しみに凍えて「雨降り地区」から出られないと言います。

同じ時を過ごし愛し合った美しい想い出は、虹の橋を創造します。そして愛犬は幸せと愛を携えて、飼い主が造ってくれた虹の橋を渡って行くのです。

オースチンを深く愛し、月命日を欠かさないMayumiさんの愛で造られた虹の橋。オースチンは安心して天国で暮らしていることでしょう。

愛犬のおかげで人の温かさを知る

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オースチンの突然の旅立ちから1年以上が経った今、相棒のビンスは14歳のスーパーハイシニアになりました。脊髄の障害で後脚に麻痺が出始め、夜鳴きも酷くなっているそうです。

動物病院の獣医さんやブルドッグにも造詣が深い馬の獣医さんからは、「14歳のブルドッグに痛み止めの強い薬を処方する医者はまずない。まずは麻痺の少ない前脚を守り、身体が寄りかかれる場所を作ってあげて」とアドバイスを受けました。

そして、夜鳴きが酷いビンスの状態について「もちろん痛いのもあるだろうけど、今まで出来ていたことが出来ないもどかしさや悲しさもあると僕は思う」と獣医さんから聞いた瞬間、Mayumiの目からは大粒の涙が溢れて止まりませんでした。

Mayumiさんが自身のFacebookにビンスの現状をアップすると、FB友達からは温かい励ましのメッセージが寄せられ、Mayumiさんは心から勇気付けられます。

「みんな泣きながら考えて、泣いた分だけ「私に出来る事は?」って考えて前進するのょ。泣いても笑っても日はのぼる~。
ならば。明日何が出来る?って考えるよりも、明日こそ楽しくこれもしてみよう!って~シニアのママみんな一緒だから。
1人じゃ無いからね!泣いて模索して考えて、アドバイスもらって~みんな一緒に手を繋ぐ事だょ。大丈夫!!大丈夫!!」

「ビンスのもどかしさや悲しさまで感じてくれるステキな獣医さんとの出会いがあったね。
オースチンやビンスが広げてくれる人の縁。彼らがMayumiさんの心配をしてるかのような気がします」

「ビンちゃん!!頑張るんだよ!皆ついてるからね♪」

「写真のビンスくんにナデナデしたよ!元気になぁれ!」

辛さを抱えたビンスにたっぷりの愛情を注いでいるMayumiさん。そして励ましてくれるFB友達。これまでは人間関係が苦手だったMayumiさんでしたが、愛犬を通してこんなにも人から支えてもらっていることを痛感したと言います。

介護や人間不信でひきこもりがちだったMayumiさんは、犬を飼ったおかげで手作りごはんを作るようになったり、カフェのお菓子作りのお手伝いにも行くようになったそうです。

さらには、愛犬の可愛い写真を撮りたくて一眼レフカメラも購入しました。Mayumiさんは愛犬との思い出を追想し、「犬を飼ってから、毎日を幸せだと思えるようになった」と語ってくれました。

そんなMayumiさんからのメッセージは、私たち愛犬家の胸を熱くします。

「私のような人間が言うのも恐縮しますが、犬を飼っている方は必ず最期まで一緒にいてあげて下さい。
それだけで犬は幸せだと思って空へ還れると思うんです。

犬は言葉を話せませんが、私たちの言葉はわかっているといいます。だから、飼っている愛犬に罵声を浴びせたりすることはしないで下さい。「もう年だから・・・」なんて絶対ダメですよ。

犬は飼い主を心から信頼して愛してくれます。なので身勝手な理由で犬を手放さないで下さい。犬も傷つく心を持っています。

犬を自分の所有物というか、モノ扱いするようなことはやめて下さい。犬は私達と同じ命を持っている生き物です。

なくならない動物への虐待…本当に許せないし、それ以上に悲しいです。
動物を金儲けの道具のように扱ったり、自分の不満のはけ口に使ったり、飼っているにも関わらずネグレクトって…。

どうか、動物愛護法の改正が通りますように。虐待されている動物への無関心が無くなればいいのに…。

「これが人間だったら犯罪なのに」そんな出来事が至る所に転がっているのに、それでも無関心でいられる人が信じられません」

実は、今回の取材中にビンス君が歩けなくなってしまったのですが、Mayumiさんは通院と介護の合間を縫って応じてくださいました。

Mayumiさんとビンス君との幸せな日々が1日でも長く続くようお祈りします。

オースチン君、ビンス君、素敵な飼い主さんに出会えて良かったね!頑張れMayumiさん!

互いの温もりを永遠の宝物として過ごしてくださいね。お空組になったオースチンが2人を見守ってくれていますよ♪

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