“向社会的行動”は犬にも元々備わっていた!?

引用の出典元:barkpost.com

「他の人のために役に立とう」とする向社会的行動は、生き物の中でも人間特有の能力だと信じられてきました。しかしここへ来て、私たち人間と最も親しい犬にも、この能力が備わっていることが証明されたのです。

オーストリアの動物行動学の医師・ Friederike Range氏によると、犬の祖先でもあるオオカミはチームワークに長けた動物であり、古代から向社会的に同種(=仲間)と共存する能力が備わっているといいます。

それに加え、オオカミが人に飼われるようになってから何千年もかけて、彼らは特別なソーシャルスキルを身に着けていったのです。

【実験】犬も友達に食べ物をあげるのだろうか?!

飼い犬に見られる向社会的性は、人間からの影響を受けて学んだ物なのか、それとも元々備わっている従順性からなのか、を正確に証明されたことはありませんでした。

そこでRange氏の研究チームは、16頭の犬を使って彼らが顔なじみの犬と全く縁のない犬との間でどのように他者の利益のために行動するのかを実験しました。

実験ではバーを挟んで2匹の犬を配置し、片方がトレイを引いて隣の犬にエサを与えるか否かを見ます。トレイを引ける犬(=ドナー犬)は、もう片方の犬に対して空のトレイかエサが入ったトレイのどちらかを選ぶことができます。

「顔なじみの犬」と「全く縁もゆかりもない犬」と交互に実験すると、両者の間でトレイを引けるドナー犬の行動に大きな違いが見られました。

【結果】犬も顔なじみの相手には積極的に奉仕する!

実験では、ドナー犬は顔なじみの犬とそうでない犬との違いを明確に把握し、顔なじみの相手には頻繁にトレイを引っ張ってエサを与えようとする行動が見られました。

実験前までは犬の向社会的行動が明確に実証されていませんでしたが、顔なじみ=親しい間柄の仲間には見ず知らずの相手よりも積極的に向社会的に接するということが証明されたのです。

そしてこの実験の何よりも凄いところは、当のドナー犬は一切エサを与えられずに他の犬のためにトレイを引く行動を取ったということです。本来犬は自分のエサのために「取るべき行動を学ぶ」ことが前提とされていました 。

これによってドナー犬がただ単に遊びとしてトレイを引っ張って他の犬にエサ与えているという可能性を除外することができたのです。

すべての実験の後、ドナー犬が「トレイを引くことの意味」を認識しているかを証明するために、エサの入ったトレイを置いたところ、すべての犬が自分自身のためにトレイを引く行動を見せました。

これによってドナー犬が、「見ず知らずの犬が怖くてトレイを引かなかった」という選択肢も除外することができたのです。

犬は意識して向社会的行動を取っている!

今回のRange氏の実験によって、犬たちが状況や相手を分かった上で向社会的な行動を取っていることが証明されました。

私たちにいつも従順で一生懸命な姿は、ただ犬が本来持っている性格や素質だけではありません。彼らは正確に相手を判断し自分の利益を考えずに、無垢な愛情を私たちに注いでくれていたのです。

参照:Dogs give friends food: Familiarity promotes prosocial behavior -- ScienceDaily

無料で動物保護団体を支援する

協力:NPOを無料で簡単に支援できる!gooddo