米軍で戦う犬たち

引用の出典元:amcgoose.com

働いている犬といえば、警察犬や救助犬、麻薬探知犬のイメージがありますよね。アメリカには軍に所属して人間とともに戦場に出て戦う犬たちがいます。

もちろん人間と一緒にトレーニングをします。警察犬のように専用のトレーナーもいます。しかし、警察犬や救助犬とは全く違う存在なのです。

ミリタリードッグの主な仕事は、戦場での追跡や偵察、探知。戦火の中で倒れている兵士たちの中から生きている人を救済することもあります。人間が行けない場所に犬を行かせることもあります。常に危険が伴う戦場での任務にあたるミリタリードッグたちの訓練は非常に厳しいものです。

ミリタリードッグのトレーナー「ハンドラー」を教育する軍曹たちは「犬は武器だ。決してペットではない。犬に愛情を持って近づいてはいけない」と繰り返しハンドラーたちに言い聞かせます。

もしも、任務の最中に敵からの銃弾に襲われ、犬と離れた状態で逃げなければならない状況になったとき、ハンドラーが犬を守ろうとするような感情があっては戦いに勝つことができないと考えているからです。

悲しいことに米軍に所属するハンドラーたちは自分自身を守るための方法として犬を犠牲にすることも心得ているのです。

犬が犠牲になることが多いのも事実。でも、犬たちのおかげで命が助かる兵士もたくさんいるのです。

アメリカ初のミリタリードッグ、スタビーの物語

引用の出典元:barkpost.com

アメリカで最初にミリタリードッグになった「軍曹スタビー」を知っていますか?スタビーはアメリカで英雄として称えられている有名なミリタリードッグです。

1917年、切りっぱなしになった尻尾のピットブル・テリアの子犬は、英語で切れ端を意味する「スタビー」と名付けられました。スタビーはコネチカット近くのエール大学にある陸軍訓練キャンプ、ニューヘブンの路上に捨てられていました。J.ロバート・コンロイさんがスタビーを見つけて陸軍訓練キャンプに連れて行ったのです。

スタビーはキャンプで主要な訓練を受けました。ラッパの呼び出しに応え、軍隊の行進に参加して、同僚の兵士たちに挨拶をする礼儀正しい犬でした。

コンロイさんが出航しなければならなくなったときには、彼のオーバーコートにスタビーを隠して海軍の船に乗りミネソタ州まで密輸したこともあります。

スタビーは英語とドイツ語の違いを理解できるほど頭のいい犬でした。彼は英語かドイツ語かというのを戦場で負傷した兵士を助けるときの判断基準として使っていました。フランスでは彼のスキルはさらに向上していました。ドイツのスパイを見つけて、助けが来るまでスパイのお尻を引っ張っていたのです!なんて頭のいい犬なんでしょうか!

この功績が認められて、スタビーはアメリカで軍曹に昇格した初めてのミリタリー犬になりました。これは、それまでずっと一緒にいたコンロイさんよりも上に昇格することを意味していました。

その後もスタビーは活躍を続けます。ある時にはガスで殺されそうになりましたが、この時もスタビーは生き残ります。17回も激しい戦いが繰り返された最前線で18か月もの時間を生き延びました。そして、がれきの中で生きている人を見つけては仲間たちに知らせました。

そんなスタビーの活動に感銘を受けたジョン・パーシング米軍司令官は、個人的にスタビーの栄誉を称えて金のメダルを授与しました。スタビーが貰った賞はこれだけではありません。勇敢な犬に与えられるパープルハート賞、ヴェルダンの戦いの勲章、フランスグランデ共和国の戦いの勲章などが与えられました。

戦後、スタビーは米国在郷軍人会やYMCA、アメリカ赤十字からも表彰されました。さらに当時の大統領にも会いました。この時代、誰もがスタビーの魅力の虜になっていました。

コンロイさんは退役後、最終的にジョージアタウン大学の法律学校を卒業しました。しばらくの間、スタビーはコンロイさんと一緒にこの大学のバスケットボール部「ホヤーズ」のマスコットキャラクターとして活躍しました。

1926年、スタビーはコンロイさんの腕の中で亡くなりました。スタビーの死は、ニューヨーク・タイムズ紙で特集が組まれるほどのビックニュースとして報道されました。

これがアメリカの最初のミリタリードッグ「スタビー」の物語です。

現代では、危険だからという理由で敬遠されてしまうピットブル・テリアですが、スタビーのように勇敢に人間と共に戦ってきた歴史もあります。スタビーはきっとコンロイさんと出会い、人間と一緒に戦うことを誇りに思っていたんでしょう。

最近、犬に代わってロボット犬が採用されるなど戦場での様子も少しずつ変化してきています。しかし、実際には犬の力を借りているのが現状です。スタビーのあとにもたくさんの兵士を助けたり、さまざまな活躍をした英雄と呼ばれる犬たちがいることを忘れてはいけません。

参照:This Brave, Stubby-Tailed Pit Bull Was America’s First War Dog

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Tsunayoshi Natsumi
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