部屋の隅で失禁し、恐怖に震えるラブラドール

アメリカに拠点を構える動物保護団体「ヘイリー・グレイブス財団」で代表を務めるタミー・グレイブスさんは、とある保健所を訪れました。

そこでグレイブスさんは、1匹の黒いラブラドールと出会います。

そのラブラドールは、たまたま今日保健所に連れてこられた子でした。保健所の雰囲気から、ここが自分が望んでいるような場所でないことを悟ったラブラドールは恐怖に怯えていて、部屋の隅で失禁してしまいながら身を震わせていたのです。

また、保健所のスタッフによると、このラブラドールは飼い主自身がここに連れてきたのだとか。

あまりに悲惨な状況を目の当たりにしたグレイブスさんは大きなショックを受けました。

その上で、この悲惨な現状を多くの人に知ってもらうべく、写真にメッセージを添えてFacebookに投稿したのです。



この投稿には、こんなことが書かれていました。

これが保健所に連れて来られた犬や猫たちの本当の姿です。

今朝このラブラドールは、ふかふかのベッドやソファの上で目を覚ましたことでしょう。そして、いつもと同じように飼い主にご飯を与えてもらえるのを待っていたはずです。

車に乗せられたときも「今日は公園かな?それとも病院へお出かけかな…?」と思いを巡らせていたかもしれません。

しかし、この子が連れて来られたのは死臭に満ちた場所でした。

275匹の犬たちが、「ここから出して!」というように扉をたたき、そして悲惨な泣き叫ぶ声が響き渡る保健所だったのです。

保健所に連れて来られた子たちは、自分の力だけでこの場所を出られることは二度とありません。そして犬たちは、自分がこの後どうなるのかすらも知らないのです。

ひとつだけ言えることは、自分で「ここに来たい」と願ってこの場所を訪れた子は、誰一人としていないということ。そして、心ない無責任な飼い主の元に戻りたいとも思っていないことでしょう。

あまりの恐怖に失禁してしまい、自分で漏らしてしまったオシッコのうえで震える犬。動くことすらも恐れ、私たち人間と目も合わせるこもできない。

この子は今、おそらく「消えてしまいたい」と思っているのでしょう。

そうでもしないと、このつらい現実から逃れることすらできないのですから。

決して保健所が悪いわけではありませんが、これが無責任な飼い主が生んだ、保健所の現状です。

無責任な飼い主こそが、全ての元凶なのです。

出典:Tammy Graves|Facebook


とても考えさせられ、そして心が痛むようなメッセージ。

この投稿はあまりに内容が酷だったため、最初はグレイブスさんの身近な人たちに限定されたものでした。しかし、「この現状をもっと多くの人に知って欲しい」というたくさんに声がグレイブスさんの元に寄せられたため、この投稿を世界に向けて発信することを決意したのでした。

ラブラドールは、グレイブスさんの元で一時的に預かることに

引用の出典元:www.facebook.com

その後、グレイブスさんはこのラブラドールを一時的に預かるとして、自身の運営する「ヘイリー・グレイブス財団」で引き取ることにしました。適切な治療とケアを施し、新しい里親を探すことを決心したのです。

ラブラドールには「ジューン・キャッシュ」という素敵な名前が与えられました。

ジューンの身体をチェックすると、そこには明らかに人為的に付けられたような傷がいくつも発見されました。保護した時も、首輪と呼ぶにはあまり大きく頑丈すぎるものが巻き付けられており、刃物を使ってやっとのことで外すことができたそうです。

おそらく、元の飼い主からは虐待を受けていたのでしょう。

ジューンの精神的なダメージは深刻で、外に出ても尻尾は下がりっぱなし。ご飯を与えても、人間が近くにいると緊張して満足に食べることもできませんでした。

ジューンの容体は心身ともに深刻でした。

しかし、それでもグレイブスさんたちは懸命に治療とケアに専念しました。もう一度、明るく元気なラブラドール本来の姿を取り戻してもらうために。

少しずつ元気を取り戻すジューン

引用の出典元:www.facebook.com

グレイブスさんの元に保護されてしばらく経ったとき、ジューンにも少しずつ変化がみられてきました。

本当に少しずつですが、グレイブスさんたちの想いに応えるかのように元気を取り戻していったのです。

プレゼントしてもらったベッドは気に入ったようで、夜も安心して眠れるようになりました。自分のためだけに与えられたオモチャでも無邪気に遊べるようになってきたそうです。

まだ完全に心の傷が癒えたわけではありませんが、ジューンは少しずつ前に進もうとしているのです。

現在では、ジューンは落ち着きを取り戻し、心のケアも順調に進んではいますが、実はもっと深刻な問題を抱えていました。

それは、重度のフィラリアです。

フィラリアという病気は、飼い主がしっかり管理してあげていれば未然に防げる病気ですが、ジューンの身体は重度のフィラリアに侵されていたのです。

ここでも、元飼い主のずさんな飼育が伺えます。

身体の傷が完治し、精神的にもだいぶ落ち着いてきたジューンには、新しい家族からの暖かい愛情が必要です。そのためには、ジューンが抱えるフィラリアを治療しなければいけません。

そのため、グレイブスさんはクラウドファンディングにて治療費の寄付を募ることにしました。

目標金額の12,000ドルまで、あと約2,000ドル。

「ヘイリー・グレイブス財団」では、ジューンの他にも安楽死寸前で保護された「チャンス」という犬と、ジューンと同じようにフィラリアに起こされた「セレニティ」がいます。この子たちに第二の犬生を歩ませるためにも、治療費はまだまだ足りていないのが現状なのです。

海外の話だからと他人事ではない



保健所に連れてこられた犬や猫たちの、本当の姿。この写真を見て、あなたは何を感じたでしょうか?

安易に「保健所にいけば、犬を引き取ってもらえる」なんて考えは間違っています。保健所に連れていくことは、愛犬を自らの手で殺すことと同じ意味を持っているのですから。

そして、今回の記事が海外の話だからといって、決して他人事ではありません。ジューンたちのように悲惨な過去を持ち、これから新しい家族に出会うことを心待ちにしている犬や猫は日本にもたくさんいます。

もし、少しでも今回の記事に共感してもらたなら、日本のNPOや動物保護団体にも目を向けてもらえると幸いです。

無料で動物保護団体を支援する

協力:NPOを無料で簡単に支援できる!gooddo

この記事を書いたライター

Tsunayoshi 大庭 祥平
読者の皆様により良い情報をお届けします!

話題のキーワード

今話題のしつけ関連ワード