【獣医師監修】犬が食べると中毒やアレルギーを引き起こす危険な食べ物!与えてはダメ!

人間にはご馳走である食べ物も、犬にとっては中毒症状やアレルギーを引き起こす可能性があります。ここでは、犬が食べると中毒やアレルギーを引き起こす危険な食べ物についてご紹介します。死亡例もある非常に危険な食べ物もありますので、ぜひ、今後の参考にしてください。

更新日:

先生にお聞きしました
徳本 一義 先生
ペット栄養学会理事。小動物の臨床栄養学に関するスペシャリスト。
獣医師 MBA(経営学修士)

ヘリックス株式会社 代表取締役社長

【資格】
獣医師

【所属】
ペット栄養学会 理事
一般社団法人ペットフード協会 新資格検定制度実行委員会 委員長
日本獣医生命科学大学 非常勤講師
帝京科学大学 非常勤講師
など

大学卒業後、小動物臨床に従事。

その後、ペットフードメーカーに入社し、小動物臨床栄養学に関する研究、情報発信を中心とした活動を行う。

現在は、獣医療・教育関連のコンサルタントとしての活動。ペットの栄養に関する団体の要職を務める。

自宅で9頭の猫と暮らす愛猫家。
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犬に与えてはダメ!【危険な食べ物!】

犬が食べると中毒やアレルギーを引き起こす危険な食べ物!

Michael Pettigrew/ Shutterstock.com

玉ねぎ」や「チョコレート」は犬にとって毒性があることは、今や多くの愛犬家に知られています。

しかし、これらの食品以外にも犬が口にすると危険な食べ物があるのをご存知でしょうか?

ここでは、犬に与えると中毒やアレルギーを引き起こす危険な食べ物をご紹介します。

犬の危険な食べ物①【チョコ(チョコレート)】

犬の危険な食べ物①「チョコレート」

beats1/ Shutterstock.com

犬がチョコレートを食べると中毒症状を引き起こす危険性があります。

チョコレート中毒を引き起こす成分は「テオブロミン」というカカオに含まれる苦味成分です。

チョコレートパウダーとココア

Liliya Kandrashevich/ Shutterstock.com

チョコのような固形のチョコレートだけではなく、チョコレートパウダーやシロップ、ココアなどにも含まれており「大脳興奮作用」や「呼吸興奮作用」があります。

人間も犬も食後、テオブロミンを肝臓で分解しますが、犬や猫は人間に比べてこの分解速度が半分以下となっています。

そのためテオブロミンの効果が過剰に発揮され、結果として中毒症状が出ます。

犬の危険な食べ物②【ぶどう】

犬の危険な食べ物②【ぶどう】

Zb89V/ Shutterstock.com

犬がぶどうを食べると、中毒症状を起こします。

この中毒症状が酷くなると「腎不全」を引き起こし、場合によっては重症化し「死亡」してしまうという報告もあります。

犬のぶどう中毒の主な症状は、嘔吐、下痢などです。

これらの中毒症状は、摂取後大体2~3時間で現れます。

犬の危険な食べ物③【玉ねぎ】

犬の危険な食べ物③【玉ねぎ】

Alena Haurylik/ Shutterstock.com

犬に玉ねぎは絶対に食べさせてはいけません!

犬がネギ属を摂取することで体内の赤血球に変異が起き貧血を引き起こすほか、最悪の場合「死」に至ることもあります。

犬に玉ねぎは絶対に与えないようにしましょう!

犬の危険な食べ物④【ネギ】

犬の危険な食べ物④【ネギ】

iStock.com/yotrak

犬がネギ玉ねぎなどのネギ類を食べると中毒を起こす恐れがあるので注意が必要です。

犬がネギ属の食べ物を摂取することで体内の赤血球に変異が起き貧血を引き起こす可能性があります。

ネギ類を食べた犬

Tanyastock/ Shutterstock.com

最悪の場合、「死」に至ることもありますので、犬にネギ類は絶対に与えないようにしましょう!

犬の危険な食べ物⑤【キシリトール】

犬に危険な食べ物⑤【キシリトール】

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犬がキシリトールを摂取することによって「脱力」「意識混濁」「麻痺」最悪の場合は「昏睡状態」に陥ることがあります。

インスリンが放出され、血糖値が急激に下がることが原因です。

動物種に差があり、人間や猫では報告がありませんが、犬にとっては大変危険です。

犬にはキシリトールをあげないようにしましょう!

犬の危険な食べ物⑥【わさび】

犬の危険な食べ物⑥【わさび】

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犬がわさびのような刺激物を体内に入れると、胃粘膜を刺激して「胃炎」を発症したり「嘔吐」「下痢」を起こしたりする危険性あります。

わさびは犬にとって、とても危険な食べ物なので、犬にわさびを与えてはいけません!

犬の危険な食べ物⑦【アルコール】

犬の危険な食べ物⑦【アルコール】

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アルコール類は、犬が欲しがっても絶対に飲ませてはいけません。

急性アルコール中毒を引き起こすことが分かっています。

主に「呼吸困難」や「昏睡状態」になり、最悪の場合「死」に至ることもあります。

アルコール度数が強いお酒の場合は、たとえ少量であってもすぐに致死量に達してしまいます。

飼い主が興味本位で犬にアルコールを与えてはいけません。

犬の危険な食べ物⑧【マスカット】

犬の危険な食べ物⑧【マスカット】

iStock.com/gyro

犬にマスカットを与えてはいけません!

マスカットなどの「ぶどう」は、「ネギ」類や「チョコレート」などと同様に、犬に食べさせてはいけない危険な食べ物のひとつです。

そのため、マスカットも犬に食べさせてはいけません。

犬の危険な食べ物⑨【レーズン】

犬の危険な食べ物⑨【レーズン】

sunrise / PIXTA(ピクスタ)

犬にレーズンを与えてはいけません!

犬がレーズンを食べると、種類に関わらず、腎臓の機能にダメージが生じるといわれています。

これは、ぶどうを食べたときと同じ症状です。

最悪の場合、急性腎不全で死に至ったという報告例は、日本だけでなく、アメリカの動物中毒コントロールセンターでもあります。

【参照元】日本小動物獣医学会誌「ブドウ摂取後に急性腎不全を発症して死亡した犬の1例」

犬の危険な食べ物⑩【ニラ】

犬の危険な食べ物⑩【ニラ】

Graphs / PIXTA(ピクスタ)

犬にニラを与えてはいけません!

愛犬にニラを与えると「ネギ中毒」になる危険性があります。

ニラは少量でも危険性の高い食べ物なので、愛犬には絶対にニラを与えないようにしてください!

犬の危険な食べ物⑪【アボカド】

犬の危険な食べ物⑪【アボカド】

Anna Shepulova/ Shutterstock.com

人間には栄養満点のアボカド。

しかし、アボカドに含まれる成分の『ぺルジン』は、犬が口にすることで下痢や嘔吐を引き起こすことがあります。

犬に危険な食べ物⑫【カフェイン】

犬に危険な食べ物⑫【カフェイン】

Marian Weyo/ Shutterstock.com

紅茶や日本茶、コーヒーに含まれるカフェインは犬にとって危険性のある成分で、中毒症状を引き起こす原因になります。

中毒の症状としては「興奮作用」や「痙攣」「呼吸圧迫」などが現れます。

人間もカフェインを摂取しすぎることで下痢などの症状が発生しますが、犬は人間よりも体が小さいため、人間にとっては少量でも中毒症状が起きることが想定されます。

十分な注意が必要です。

犬の危険な食べ物⑬【マカダミア・ナッツ】

犬の危険な食べ物⑬【マカダミア・ナッツ】

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原因物質が明確になっていませんが、マカダミア・ナッツは犬に中毒症状を引き起こすとされています。

主な症状は「嘔吐」「ふらつき」「脱力」などです。

マカダミア・ナッツに限らず「ナッツ全般」で中毒症状を訴える犬が多いので、注意が必要です。

犬にとって【医薬品(薬)】は毒性があるので要注意!

犬にとって「医薬品(薬)」は毒性があるので注意!

ponpimonsa_bibi/ Shutterstock.com

薬局で処方箋なしでも手に入る薬であっても、犬にとっては毒性があります。

万が一、愛犬が毒性があるものを摂取してしまったら、自己判断せず、すぐに動物病院に相談して指示を仰いでください。

事前に一報入れるだけで、病院に連れて来るように言われても、到着後すぐに対処して貰えます。

また獣医師には、誤飲・誤食してしまったものの量や種類を明確に伝えるようにしてください。

動物病院に愛犬を連れて行く際は、医薬品などの実物を持参するようにしましょう。

犬が食べると【危険な食べ物】まとめ

犬が食べると「危険な食べ物」のまとめ

Ratchada/ Shutterstock.com

愛犬を危険な食べ物から守るためには、普段から私たち飼い主が、愛犬が誤飲・誤食しないための環境作りをすることが大切です。

また、食品だけでなく「電池」や「ボタン」「鍵」や「コイン」「毒性のある観葉植物」など、家庭には犬にとって危険があるものが多く存在しています。

床や犬の手が届くところに食べ物を置かない、医薬品は安全な場所に保管するなど、少し気を付けるだけで事故を未然に防ぐことが出来ます。

安全性が怪しい食べ物は、愛犬が欲しがるからといってむやみに与えないようにし、かかりつけの獣医師に確認をしましょう。

みんなのコメント

まこちゃんさん
10年前からトイプーを飼っていますが、ネギやお薬を食べてしまって 病院へ駆けつけたことがあります。 愛犬の命を守れるのは飼い主だけですよね。これからも気を付けたいと改めて思いました。
こはるさん
愛犬から欲しがられるとついつい与えてしまうが、親である飼い主がしっかりとした知識を持って管理しないといけないことが改めて思い知らされた。本当の愛情と無責任な溺愛を飼い主がしっかり認識しないといけないね。
さん
犬を1年前に飼い始めたんですけど、全然犬の知識がなくって困ってて、フードしかあげられなかったんですけど、これで色々な味を安全に楽しませてあげられます!

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