犬の吠え声で睡眠障害を起こした隣人

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2002年、農場経営者のジョンさんカレンさん夫妻が、羊やヤギ、鶏を守る番犬としてチベタンマスティフを2匹飼育し始めたことが事の発端でした。

隣人のクレイン夫妻は朝一番から大きな吠え声に目を覚まし、睡眠に障害が起きるようになります。うんざりした期間が続き、2004年、とうとう裁判所に訴えました。

長時間吠え続ける犬たちを放置しておくことは公的迷惑行為で、郡の規約に違反しているとして、さらに2005年にも訴訟を起こします。

このときの判決は、夫婦の所有する4,000坪ほどの土地は農場ではないと判断し、農場経営の夫婦に罰金約4万円の支払いと、吠える2匹の犬を黙らせ別の場所に移動するよう求めました。

農場経営者の敗訴により声帯切除命令

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2005年の判決内容に農場経営者が従ったかどうかは不明ですが、それから7年後の2012年にも再び隣人のクレイン夫妻は訴訟を起こします。

訴えは、「農場経営者夫妻は犬を吠えさせないようにする行動を取らなかった」という主張内容です。

ほかにも、犬の吠え声のせいで、子どもたちが帰省するのを嫌がるようになっていることも主張しました。

このころの農場にはチベタンマスティフのほかにピレニアンマスティフなど、6匹の番犬がいました。

原告は、マスティフは夜明けの朝5時から吠え始め、農場の夫妻たちがいない間も絶え間なく吠え続けたことを証明するため、犬たちが吠えている声を録音し証拠として提出します。

農場経営者はこれに強く反論しました。「家畜を守るための手段として犬を使っているのです。守る手段が犬でない場合は銃になりますが、私たちは銃を使う必要性を感じていません」

そして、2015年になり判決が下されます。農場経営者に対して、犬たちの声帯を切除するよう求められ、約2千600万円の損害賠償の支払いが下されました。

過去の判決時に、電気ショック首輪などの手段を用いて犬を吠えさせないようにすることを農場経営者が守らなかったことが、声帯切除命令と多額の損害賠償金になってしまったのです。

さらに、このときの裁判官3人は、犬の所有者は農場を経営していない、と判断しました。

獣医師や多くの動物福祉組織が反対

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この判決に対して農場経営者はコメントを発していませんが、多くの動物愛護団体や福祉組織が反対します。

ある獣医師は「犬に手術やショックを経験させるのは人間的ではない。とうてい実行されるべきではない」と発言しました。

犬の声帯を切除する、という行為は、犬の尻尾や耳を切除するのと同様に、オレゴン州でも部分的に禁止されているとのこと。

2017年8月の控訴審においても、2015年の判決をやはり覆すことはできませんでした。

農場経営者には判決から60日以内に、認定獣医師の元、声帯切除が行なわれたかを確認する、との判決が下ったのです。

オレゴン動物愛護協会は判決の内容を受け「私たちはショックを受けている」と語っています。

犬の声帯を切除することで犬の心身へのストレスは大きく、病気やコミュニケーション能力の低下などが懸念されます。

『アメリカ動物愛護協会(ASPCA)』や『米国ヒューメイン・ソサエティ/The Humane Society of the United States(HSUS)』などの団体も反対の意を表明しています。

今後、農場経営者の夫婦がどう対応するのかはわかりませんが、最高裁に上告する権利があるとのこと。

日本でも過去に、深夜や早朝に異常なまでに吠え続けている犬の飼い主に対して、訓練を受けさせることや損害賠償を命じられる例もありましたが、数十万円程度の賠償金でした。さすがに声帯切除という例はないようです。

今回の事例のように広い敷地であっても、犬の吠え声による隣人トラブルは起きるのですから、日本の密集した住宅事情を考えると、飼い主は十分に近隣に気を配って犬を飼育しなければいけませんね。

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Tsunayoshi ひまわり
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