特定危険犬種飼育禁止条例に待ったがかかった

引用の出典元:www.popsugar.com

年末を目途に、ピットブルをはじめとする特定犬種の飼育が禁止される条例が施行予定だったカナダのモントリオール市。以前、このニュースをお伝えしましたが、その後ほどなくして条例が延期となりました。

モントリオール市では今年8月にこの条例が可決しましたが、大きな論争を巻き起こしました。その後、モントリオールSPCA(Society for the Prevention of Cruelty to Animals)から法的な申し立てがあり、裁判官は条例を延期する判決を下したのです。

モントリオールSPCAの弁護士ソフィー・ゲイラードさんは、報道機関にこう述べています。「この闘いが終焉するまでにはまだまだ時間を要するけれど、最初の一歩を勝ち取ったことにはとても満足しています。なによりも喜ばしいのは、外見に関係なく今後も健康で行儀のよい犬たちに里親を探し続けられることです。」

モントリオール市の危険犬種とされる犬たちの現状

この先、何ヵ月にも及ぶ法的争いが予想されます。なぜなら、役人とモントリオール市の動物愛護グループが、19のすべての自治区においてピットブルが飼育禁止されるべきかどうかについて意見を戦わせているからです。

「市民を守る最善の方法を決定する権利は市にある。」と、判決後、デニス・コデレ市長はレポーターに語っています。

特定危険犬種飼育禁止の延期の判決に、ピットブル系の犬の飼い主たちは胸を撫で下ろしました。しかし飼い主たちは、新しい条例のもとピットブル系の犬を飼育するために、犯罪歴のチェックを受けるだけでなく、150ドルの飼育許可書を得る必要があります。その他、去勢・避妊手術、ワクチン接種、マイクロチップの装着が義務付けられます。公の場所では、口輪と4フィートのリーシュを付けることが必須です。

モントリオール市の保護施設にいる保護犬たちは特定危険犬種飼育禁止の条例のために、里親に迎えるのにはふさわしくないとみなされ、市外に里親を探すにも時間を要します。条例で禁止された犬たちは、結果として殺処分となってしまうのです。

訴訟の焦点は、条例の内容が曖昧なために多くの犬を危険にさらす可能性があるという点です。

条例なのに定義があいまいすぎる

こういった一連の動きにも関わらず、同市長は条例は市民を守るために必要であると主張しています。

そもそもこの条例は、同市に住むある女性が近所の犬に咬み殺された事件をきっかけに早急に導入する流れとなりました。事件当初、警察は女性を襲った医務はピットブルであると発表。しかし、後に犬はピットブルではなくボクサーだったということが分かりました。

高等裁判所の傍聴で裁判官は、『ピットブルや、アメリカン・スタッフォードシャー・テリア、スタッフォードシャー・ブルテリアと、これらの犬種の雑種』といった同市の犬種に関する定義に懸念を示しました。

裁判官は市の弁護士に対してこう尋ねたそうです。「ここでいう雑種とは、親の代のことなのだろうか?それとも、祖父母までさかのぼるのだろうか?」

この裁判官が懸念を示した点は、モントリオールSPCAに、『うちの犬はピットブルにあたるのか、よくわかりません。』と、問い合わせをしてくる多くの飼い主たちには、重要な問題です。

犬種の特定を間違われた犬や、役所の職員の気まぐれで危険犬種に分類された犬はどうなるのでしょう?この条例によって更なる間違いや混乱を招き、大きな代償を払う羽目になるのは明白です。

特定犬種飼育禁止条例は果たして市民や犬たちを幸せにするのか?

隣のオンタリオ州では、2005年より特定危険犬種飼育犬種の条例が施行されています。この前例がある限り、モントリオール市でも犬の咬傷事件を防ぐために、特定の犬種に対して宣戦布告してもおかしくはありません。

しかし、そのオンタリオ州は条例の施行で愛犬家たちからかなり不評を買いました。そして、条例があるにも関わらず、条例施行前と咬傷事件の件数に大きな違いがないそうです。

オンタリオ州の動物愛護団体職員であるクレア・フォーンドランさんは、報道機関にこう述べています。「この11年間、オンタリオ州の特定危険犬種飼育禁止条例は法の名のもとに家族を引き裂き、犬たちの生活の質を悪化させました。そしてなによりも、何千という罪のない犬たちの命を奪っています。モントリオール市でも同じようになるでしょう。」

クレアさんの意見が、なぜ動物愛護団体たちが条例の施行が現実化してしまうのを必死になって止めようとしているのか、をすべて物語っています。モントリオール市の条例に対し判決が下るまで、この先長期戦になることも予想されます。

咬傷事件の犠牲者や家族に対しては気の毒としか言いようがありません。しかし、疑わしきはすべてを罰するという姿勢が必ずしも正しいのかは疑問が残ります。指定犬種であるけれども、しつけが行き届いている個体や、その犬たちと幸せに暮らしている家族。多くの犬たちや人間が泣くことになるのは避けられません。

特定犬種に指定されている犬たちと私たち人間が、うまく共存する方法はないのでしょうか?みなさんは、どう考えられますか?

参照:Update: Montreal Suspends Ban on Pit Bulls

無料で動物保護団体を支援する

協力:NPOを無料で簡単に支援できる!gooddo

この記事についたタグ