苦手を乗り越えて自信をつけ、自分をアピール♪

目を合わせるだけで警戒心をむき出しに、後ずさりしてしまうようなスミちゃんでしたが、1か月経つ頃には名前を呼ぶ声に反応して、アイコンタクトを取ってくれるようになりました。

初めて会った時の観察・注視するような視線ではなく、「な~に?」と応えてくれるようなかわいらしい瞳で見つめてくれるようになりました。

他の誰もいない状態で、慣れ親しんだ道であれば一緒にお散歩にも行けるように。

臆病な子ですが実は誰かに甘えたい気持ちもあるので、さりげなく近寄ってきたり「なでてもいいよ」というアピールをしてくれる時があります。

そういうタイミングを逃さず、決して強引にならないように、スミちゃんが心地よいと感じられる程度の時間触れ合うようにしました。

そして、信頼関係を結び人との触れ合いに喜びを感じてもらうことと同時に、急に触られることや頭を上からなでられることなど苦手なことにも慣れさせるようにします。

また、散歩コースをほんの少し変えて見知らぬ道を歩いたり、走っている車や自転車の近くを歩いてみたりも。まわりから見たら小さな小さなステップですがスミちゃんにとっては大きな変化。色々な経験をさせることでスミちゃんの自信を育てていきました。

10年の時を経てついに幸せな「家庭犬」へ

スミちゃんは臆病で慎重な性格を持っていますが、決して人が苦手、嫌いというわけではありません。むしろ人に甘えたいという気持ちを人一倍強く持っていると感じました。

甘えたいけれど、本当に心を開いて甘えていいのか迷っているのだということがとても伝わってきました。少し心を開いてみて、相手の出方をうかがって、距離感を近づけるか遠ざかるか判断する…。人に対してずっとそんな風にして接してきたのではないかなと思いました。

それはどんな犬でもすることですが、その判断が非常に慎重で繊細なんです。だから、ほんのちょっとしたことで「裏切られた」「やっぱり近づかなければよかった」という思いを抱えてしまいやすく、人の好き嫌いが激しくなってしまったのでしょう。

自分だけを見て、決して裏切らずに寄り添ってくれる人を求めていたスミちゃんですが、現在は新たな家庭を見つけてそれはそれは愛されて幸せに暮らしています。

約9年間決まった飼い主を持たず「保護犬」として生きてきましたが、ついに「家庭犬」としてあたたかな家族に迎え入れられることになったのです。新しく素敵な名前をもらって、10歳の誕生日を家族に祝ってもらいました。

もちろん臆病さや気難しさはこれからもスミちゃんの持つ性格として残ることでしょう。しかし里親さんはそれすらも全て丸ごと受け入れて、スミちゃんのペース、生き方を理解して共に暮らしていこうと決めて下さったのです。

スミちゃんが、家族と暮らすようになってもうすぐ2年。怖がりで繊細なところをはあいかわらずなようですが、飼い主さんと一緒にゆっくり色々な経験を重ねています。怖いこともあるけど、楽しいことを知って好きなものが出来て、大好きな飼い主さんと毎日を楽しく過ごしているそうです。

こちらがあきらめずにいれば、何歳になっても幸せの糸をつかむことが出来るということをスミちゃんに教えてもらいました。悲しい思いをすることも少なくない里親探しの希望の光を、私たちに与えてくれたスミちゃんにとても感謝しています。

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