人々が”ピットブル”に抱くイメージ

アメリカン・ピット・ブルテリアという犬種について、みなさんはどれだけ知っていますか?どんなイメージがあるでしょうか?アメリカで、犬に襲われた被害者のニュースがテレビで流れると、大体の場合において、その犬種はアメリカン・ピット・ブルテリアです。実際には、アメリカン・ピット・ブルテリア以外の犬種に噛まれた事件も沢山ありますが、どうも情報操作されているきらいが否めません。その結果、彼らには悪いイメージがつきまといがちです。不幸にもアメリカン・ピット・ブルテリアは、アメリカでは必要以上に目の敵にされているのです。

例えば、サン・フランシスコではアメリカン・ピット・ブルテリアの去勢・避妊は必須です。マイアミやデンバーに関しては、法律でアメリカン・ピット・ブルテリアを飼うことも禁じられています。

凶暴で粗野なイメージが板についてしまったアメリカン・ピット・ブルテリアですが、アメリカン・テンパラメント・テスト・ソサイエティー(Amemrican Temperament Test Society)が実施した実験では、86.8%のアメリカン・ピット・ブルテリアは温厚な性質だと証明されています。この実験結果は、ゴールデン・レトリーバーやビーグル、コッカー・スパニエルなどを含む他の121犬種よりも優秀なものでした。

そんな意外に思われる検査結果にも関わらず、アメリカン・ピット・ブルテリアは、なかなか負のイメージを払拭出来ません。それはシェルターに収容されるミックス犬にも影響を及ぼしていることが、アリゾナ州立大学の研究チームによって最近分かりました。

”ピットブル”と表記されるだけで前途多難な道



シェルターでは通常、保護された犬がどのような犬種の血を引いているかを表記することになっています。ミックス犬の場合は、DNA検査が行われるわけではなく、獣医師や職員によって外見や印象で決定されます。

”ピットブル”と称されるミックス犬には、アメリカン・ピット・ブルテリア以外にも、スタッフォードシャー・ブルテリア、アメリカン・スタフォードシャー・テリア、アメリカン・ブルドッグなどがいます。ところが、”ピットブル”とひとくくりにされるミックス犬の多くが、実際にはピットブルの血をまったく引いていないそうです。

しかし、”ピットブル”と称されたミックス犬は、一般的に温厚なイメージが浸透しているラブラドール・レトリーバーのミックス犬に比べると、シェルターを訪れる人々に嫌厭され、里親探しに苦戦を強いられる傾向があることが明らかになりました。

その結果、”ピットブル”と表記されたミックス犬は、他の犬種のミックス犬より長くシェルターに留まり、安楽死させられる確率が高いと分かったのです。

実験で明らかになった4つの事実

この実験で、明らかになった事実は4つありました。

  • ”ピットブル”と表記された犬は、よく似た外見でも別の犬種のミックスと表記された犬よりも3倍長くシェルターに留まる
  • 人々は”ピットブル”を他の犬種に比べて『より魅力的でない』と捉える
  • ”ピットブル”を連れている人がどんな人かで犬の印象が変わる
  • ”ピットブル”に見えるタイプの犬は、特定の犬種を表記しないほうが里親が見つかりやすく、他の犬についても同じことが言える


3は、『初老の女性』『車いすに乗った中年女性』『少年』『スポーツマンタイプの中年男性』『タトゥーがある厳つい男性』と”ピットブル”と称される犬が一緒に写った写真を学生たちに見せる実験でした。興味深いことに、『初老の女性』と『少年』と一緒にいる”ピットブル”が、よりフレンドリーで里親が見つかりそうな感じに見えたということでしょう。

また、4については、”ピットブル”と表記しないほうが、12%の犬が多く新しい家族を見つけることに成功し、1.5日少なくシェルターに留まり、安楽死は12%減少したという結果に。

他の強面の犬種も、犬種名を明らかにしないことで、里親を獲得する確率が上昇しています。マスティフについては里親の獲得が15%、ドーベルマンは12%、ボクサーは11%アップしたということです。

私たちができること

これらの事実から分かることは、いかに我々が巷に溢れる偏った情報や先入観で物事を判断しがちかということです。そして、目の前にある情報を鵜呑みにするのは危険ということでもあります。

確かに、凶暴なアメリカン・ピット・ブルテリアがいるのも事実です。しかし、そのせいでこの犬種すべてがそうだと結論付けるのではなく、それぞれの個体がどんな性格かを見極めることが重要です。

また、繰り返し言われていることですが、不幸な運命を辿るミックス犬たちが今後増えないために、繁殖用でない犬は避妊・去勢することを徹底しなけらばなりません。

アメリカでは未だに多くのアメリカン・ピット・ブルテリアが、飼い主の手に負えすに飼育放棄されてシェルターに連れて来られたり、違法にも関わらず闇賭博用の闘犬として使用されていたりと、まだまだ課題が多く、改善点は山積みです。

アメリカン・ピット・ブルテリアを適切に責任を持って飼育することが出来ない人間は、最初からこの犬種を飼うべきではないでしょう。なぜならば、一部の人間の身勝手さや私利私欲のせいで、”ピットブル”というカテゴリーに入れられるミックス犬たちでなく、アメリカン・ピット・ブルテリア自身も被害者になっているのですから。

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この記事を書いたライター

Tsunayoshi オリビア
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