放し飼いが犬にとって幸せとは限らない

チビは初めて会った時から特に怯えているわけでもなく、攻撃性を見せることもなく、はしゃぎすぎることもなく、保護犬の中では他人に対してフラットな精神状態の犬だと思いました。

その理由は、過去にチビが人から痛めつけられたり、つらい目にあわされていなかったということにあるようでした。

ではなぜチビは飼い主もなく保護施設にいたのか?

チビを飼っていたのはひとりのご老人でした。チビを飼い始めた経緯はわかりませんが、飼い始めた頃にはほとんど家で寝て過ごす生活で、チビを庭に放し飼い状態にしていたそうです。それでも食事だけは与えておりチビは丸々と太っていました。

その後飼い主さんは施設に入ることとなり、行き場を失ったチビは保護されることとなりました。

「犬は自由にしたいだろう」と放し飼いにされていたチビ。

人に飼われながらも触れ合うことはなく、孤独と背中合わせの自由はチビにとって果たして幸せなものだったのでしょうか…。

首輪もリードもつけたことがない犬

「放置」とも言える放し飼い状態で飼われていたチビは、飼い主が高齢だったこともあり首輪とリードをつけて散歩に出たことがありませんでした。

そのため、首輪をつけた時も大暴れ、リードを軽く引こうものならパニックを起こして力づくで首を抜いて逃走しようとしたそうです。

かろうじて胴輪はつけられたものの、自由に動き回ることしか知らないチビは、リードで動きを制御されることを極端に嫌がったそうです。

また、散歩中に外で見るあらゆるものに興奮してしまい、保護団体の方曰く「腰が抜けるほど」リードを持つ人を引っ張り回してしまっていたようです。

チビは小さな頃から庭だけで過ごしていたため、世の中のあらゆるものに順応していなかったのです。救いは人間に対して負の感情をあまり持っていないということでした。

チビにはいくら時間がかかっても社会性を身につけさせる必要がありました。

こちらを見ない「自由人」が振り向いてくれた

怖がりなところはありつつも、基本的には明るく陽気なチビ。
人に対してもフレンドリーなように見えましたが、その実、あまり人のことを意識せず自由奔放に振る舞っているだけで「我が道を行く」タイプの犬でした。

自我を持っていることは素晴らしいことですが、チビの場合は散歩をしていても全く一緒に歩いている感じがせず「自立心」とは違うものを感じさせられました。存在が無視されているような、心が通じていないような感覚でした。

今後の基本トレーニング(おすわりや待て、おいでなど)を進めていくに当たって、社会性を身につけさせると同時にすべきことは人とのコミュニケーションを深めることでした。

チビの散歩というと急に走ったり止まったり、右に行ったり戻ったり…と本当に自分の好きなように動き回るというもので、お散歩ボランティアさんも振り回されっぱなしでした。

そんなチビに私も一緒に散歩しているんだということを意識させるために、リードがピンと張るたびに立ち止まり、チビが私の方を見るまでただ黙って頑として動かずにいるということをひたすらくり返しました。

そんな根競べを続けているうちに、チビが私を意識しながら歩くようになっていきました。

「次は何しようか?」散歩の楽しさを共有する大切さ

散歩中にチビが私を意識するようになればこっちのもの!

ほめる・叱る以外にもたくさん話しかけて、人と犬が散歩の楽しみを共有するということを意識しました。

その中でおすわりなどの基本トレーニングも組み込んでいくと、チビは喜んで取り組んでぐんぐん成長していきました。

この時には首輪にもすっかり慣れ、引っ張ることもなく私とペースをあわせながらゆったり歩けるようになっていました。

ひとりの自由な散歩も楽しいかもしれないけれど、誰かと楽しみを共有すればその楽しさは倍増する。それは人も犬も変わらないはずだと思っています。

ただ歩いて体力を使わせることだけが散歩ではありません。匂いを嗅いで、空を見て、飼い主と一緒に走って、トレーニングで頭を使う…そんな精神的な満足感は、運動量の充実以上に必要なものだと思っています。

誰とも心を通わせずひとりでひたすら走っていたチビは、首輪にリードをつけて犬舎から出すとキラキラした目でコミュニケーションを図ろうとして来るようになりました。

まだまだ課題はいっぱいですが、どうか新しい飼い主が見つかり、その課題を飼い主とともに乗り越えていってほしいと願っています。

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