犬の角膜とは?


犬の目の表面にある膜を角膜といいます。

透明な膜なので何もないように見えますが、目の端から中心に向かって放射線状に神経が伸びています。目の表面に何かが触れたり、些細なゴミが入っても痛みを感じるのは、かなり細かな神経が目の表面に張り巡らされているからです。

大事な角膜なのですが、膜の表面には血管が見当たりません。

血管があると視界を遮ることになるため、角膜と水晶体の間にある眼房水が角膜に栄養を与えたり老廃物を処理したりしています。

角膜は厚み1mm程度の膜なのですが、6層に分かれています。この膜が透明なのは、これらの層の結合組織が規則正しく配列しているからです。

もしも規則正しい配列が乱れれば、角膜は透明ではなく白く濁って見えます。

このような角膜に傷が入り潰瘍化した状態を角膜潰瘍といいます。

犬の角膜潰瘍とは?

目の表面に傷が入ってしまった状態を角膜潰瘍といいます。

角膜に傷が入ると神経を傷つけ痛みが出るので、痛みから眼を開けられずにしょぼしょぼしてしまったり、涙が大量に出たりします。

角膜に傷が入った時に絶対に使用してはいけない点眼薬がありますので、手持ちの点眼薬をささないようにしてください。

見た目では角膜表面に傷が入っているかどうか分かりませんので、まずは傷の有無を確認する検査を動物病院で受けてください。

フローレステストという検査で傷の有無が分かります。これは、眼を染色するための染色液で体に無害です。この染色液で眼を染めると傷が入っているところが蛍光の黄緑色に染まります。他にローズベンガル染色液もありますが、少し眼に刺激があります。

この検査で傷があれば傷を治す点眼薬をさして治療します。

この角膜の一番奥にデスメ膜という膜があります。眼房水に一番近い膜でもあるこの膜が傷が深いために膨らんで角膜表面に出てしまう状態を「デスメ膜瘤」といいます。

このデスメ膜が眼をこすったりすることで破れてしまうと、眼房水が眼の外に流出してしまい眼の形状が保てなくなります。この状態になると眼球摘出手術や角膜表面に結膜を縫い付け穴をふさぐ結膜フラップなどの手術が必要になることもあります。

角膜潰瘍の治療方法は?

治療方法には内科療法と外科療法があります。
内科療法は点眼薬や内服薬で治療します。

内科療法は点眼薬が主流ですが、いずれにしてもエリザベスカラーを使用して眼をこすらないようにする必要があります。

もしも、眼をこすってしまった場合治りが悪くなるだけでなく、新しく傷が入ってしまったり、デスメ膜瘤になる可能性が高くなります。

点眼薬は、「ヒアルロン酸点眼薬」「還元型グルタチオン製剤」「アセチルシステイン」などを用いることが多いです。また、細菌感染を起こしやすくなりますので「抗生剤の点眼薬」を併用することが多いです。

使用禁忌は、「ステロイド系の点眼薬」です。ステロイドは炎症を取りますが、傷の治りは非常に悪くなります。

外科療法の場合は「瞬膜フラップ」「結膜フラップ」などを行う事があります。瞬膜も結膜も眼の組織ですが、これらの膜を用いて傷の入っている部分を覆いながら傷の治療をしていく方法です。

この治療は麻酔下で行う事が必要なので、獣医師とよく相談して行う方が良いでしょう。

また、傷をふさぐ目的で「コンタクトレンズ」を装着する場合もあります。犬用のコンタクトレンズがありますが、フィット感が良くないので外れやすい傾向があります。

角膜潰瘍を起こしやすい犬種と対策方法


角膜潰瘍を起こしやすい犬種の代表はシーズーです。
短頭種で眼が大きいため、角膜潰瘍に非常になりやすいです。

何かを臭ったとき、草むらに入った、物にぶつかってしまった、耳や顔を足で掻いて勢い余ってなど色々な原因がありますが、鼻の長い犬種に比較して角膜潰瘍の発生が高くなっています。

やはり、草むらや茂みに入らないことや臭いをかぎまわり過ぎて前方不注意にならないように気をつけてあげてください。

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