ペットとの暮らしから子どもが学ぶ生物概念

幼少期から犬や猫などの動物とともに暮らすことにより、健康的・精神的発達に良い影響を及ぼす可能性があることは、さまざまな研究により示されてきています。アメリカのノースカロライナ大学グリーンズボロ大学の研究者らは、ペットとの暮らしが子どもの生物や生命に対する認識の形成にどのような影響があるかを調べ、その結果を『Journal of Experimental Child Psychology 』に発表しました。

研究者らは2つの調査を行いました。ひとつは、犬や猫と暮らす学齢前の子ども24人の両親に、日々どのように犬や猫と子どもとがかかわっているかについてアンケート調査を行いました。

その結果、子どもはペットの世話を行っておらず、大部分が社会的なかかわりを持っていたことがわかりました。たとえば、匂いをかがれた手を差しのべる、一緒に遊ぼうとする、ペットにコマンドをだすといった双方向の交流が典型的に見られました。また、犬か猫かペットの種類によってかかわり方に変化はなかったものの、女児のほうが男児よりもよりペットとの交流がさかんに行われていたそうです。

ふたつめは、幼少時代のペットとの暮らしが生物学的な概念の学習に影響があるかどうかをみるために、ペットと暮らす、または暮らしていない2歳から6歳の96人の子どもたちに質問をしました。そのうち半数が犬または猫と暮らす子どもでした。

子どもたちが心臓という言葉を知っているかもしれないため、研究者らは心臓に代わる造語"andro"を作りました。子どもたちは二つのグループに分けられ、ひとつのグループには、"人々は体の中には、丸くて緑色のこんな感じの andro があります"と話し、子どもと実験者は一緒に andro の絵を描きました。そののち子どもたちは、さまざまな動物や植物、無生物の中にも andro が存在しているかどうか尋ねられました。もうひとつのグループには、ヒトではなくて犬が andro を持っていると話した以外は同様の方法で調査が行われました。さらに、ペットと暮らす子どもたちには彼らのペットについて、ペットと暮らしていない子どもたちには実験者のペットについて、質問がされました。質問では、犬や猫には感情や睡眠、食餌、両親といった精神的・身体的な特性があるかどうか尋ねられました。

その結果、ペットと暮らしていない3~5歳の子どもは、犬から人ではなく、人から犬へと生物学的な特性を関連付ける傾向にありました。逆に犬から人への生物学的特性の関連付けは、ペットと暮らしていない5歳児よりペットと暮らす5歳児でなされていたそうです。

また、対照実験で参加した大人と同様に、5歳児は植物や無生物よりも動物に生物としての特性がみられるとする傾向がありましたが、3歳児では動物も植物も、無生物にも等しく特性があるとする傾向にあったそうです。この結果については、ペットの飼育の有無による違いはみられませんでした。しかし両方のグループにおいて、ペットと暮らす子どものほうがより動物には身体的な特性があるとする傾向が高かったそうです。

これらのことより研究者らは、ペットと暮らす学齢前の子どもたちは、ペットとの社会的な触れ合いを通じて動物についてより明確で概念的な知識をもち、人間中心的に考える傾向が低いことが示されたとしています。そして、子どもたちが動物を社会的な生き物として扱うことが、動物が人と似ていると類推的に理解する助けになっているかもしれないという仮説を支持するものとしています。

人がペットと暮らすことで、心理的な利益、社会的な利益、身体的な利益がもたらされるという学説があるのは『動物飼育が子どもの成長に与える影響とは(2)』の中でも触れられていますが、子どもは大人よりももっと本能的なところでペットから自然に何かを感じとり、学んでいるのではないかと思います。子どもは得てして動物に興味や関心を持つものです。そのような子どもならではの特性をもっと大切にしていけるとまた、世の中も少しずつ変わっていくのではないかと思うのです。

著者:The dog actually Times
転載元:ペットとの暮らしから子どもが学ぶ生物概念 | dog actually - 犬を感じるブログメディア


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