一つ問題が解決しても、全てが解決するわけではない

引用の出典元:tsunayoshi.tokyo

この国では、無責任な飼い主による飼育放棄や繁殖、動物取扱業者によるとみられる持ち込みや遺棄などが原因で、年間約7万頭の犬が保護犬として収容されている。

そのうち約3万頭は、元の飼い主のもとに返還されるか、保護団体によって新しい飼い主(里親)の元へ旅立っていくが、それでも約4万頭は殺処分されているのが現状である。

昔に比べて野良犬の数が減ったことや多くの著名人や保護団体による啓発活動によって年々減少傾向にあるものの、依然として多くの尊い命が犠牲になっている。


この現状に関して鈴木氏は、全ての問題(殺処分や野良問題なども含めて)が1つの理由によって発生しているものではなく、それらは大変複雑で複合的な問題だと認識している。

そこには、飼い主のモラルの問題もあれば法律やシステム的なもの、地域による所得格差や歴史的背景、社会全体の意識やそれらに関する施設および設備がまだまだ整っていないという問題などがある。

日本は全てに関して海外のペット先進国に遅れをとっているのも事実だが、全ての問題が重なり合っているからこそ現状を招いているのであって、一つを解決することで全部が解決されるということではないと指摘する。



鈴木:「実際に動物福祉の先進国であっても、そういう保護施設というものはたくさんあります。

しかし、それでも問題は絶えないんですね。

つまり、どう法律を整備しようが、人々のモラルが改善されている国々だろうが、やはり保護される犬や猫の数というものは一定の数は出てしまうものみたいなんです。

そして、それは現実問題としてなかなか変わらないということも理解しなければなりません。

なので、私たちはその上でできるだけそうならないように改善していく必要はあるわけですが、それでもやっぱり絶対にそれは残ってしまうわけです。

でも、だからと言って諦めるわけではなくて、それをより良質なものに、本当に素晴らしいものに変えていく、作り上げて行くということが日本でも必要になってきます。

そして、その”流れ”にきつつはあるので、今は一つ一つその問題を潰して行きながら、皆でどんどんその”流れ”へ押し流して行く段階ではないでしょうか。」


 

つまるところ、いきなり一つの問題が解決したからといって、全ての問題が一挙に解決することは起きないのだという。

流れが派生し、勢いが生まれる

引用の出典元:tsunayoshi.tokyo

鈴木:「ただ、潰して行くうちに、その”流れ”が色んな問題へ派生していって”勢い”がつくのではないかと感じています。

そして、その”勢い”をつけるということは早期の問題解決に向けて大事な一歩になります。

そういった意味でも、ホントに地道な作業ですが、問題の実情や私たちがやっているような保護活動を多くの人に知ってもらうという草の根的な運動を続けて行くことは重要だと思っています。

最近では、色んな著名人の方々もPRしてくださっていますので、それの”流れ”をどんどん広げていくということに注力すべきではないでしょうか。

また、そのような問題や活動に関して色んな企業やメディアも関心を持ち始めています。

それぞれ団体によって活動方針や理念、スタイルが異なりますから、それを分かりやすく伝え、活動について正しく理解してもらえるよう、努力していかねばと思っています。

現場の事情は複雑で、全てが伝わり切らないこともありますが、実際に犬たちを保護し、幸せへとつなぐという仕事をひたむきに行なって、本気で取り組んでいる姿勢を見ていただくことで、応援してくださる方々には私たちの想いや誠意が必ず伝わると信じています。

それがまた、この”流れ”を絶やさないようにするためにも大事なことですから。」

一人の飼い主として、個人でもできることは?

引用の出典元:tsunayoshi.tokyo

一人の飼い主として、どんなことが個人でもできるのかを鈴木氏に伺ったところ、まず、これから犬を飼おうと思っている人は、是非とも保護団体からの譲渡を検討して欲しい。

保護犬を選択肢として考えてもらいたいとのことだ。



鈴木:「里親になることには、色んなハードルがあって自分があてはまらないと思う人も多いと思いますが、その時は一つの団体だけじゃなくて色んな団体にあたることで可能性を探してみて欲しいです。

また、里親になるということだけが選択肢ではありません。

例えば、70代のお年寄りの方で子犬を飼いたいといってお見えになられる方もいらっしゃるんですね。

その場合、わんずぺ~すでは子犬はお渡ししませんし、その方のお年相応の小柄な成犬をお薦めしますが、高齢者の場合はもしもの際の後見人をお願いするようにしています。

ただ…ご本人が飼い続ける自信が持てない、後見人が立てられないということでしたら、“一時預かりボランティア”として犬を飼うのではなく、里親さんが見つかるまで預かるという形をご案内します。

もちろん、預かりができなくなったら、わんずぺ~すが引き受けますので、「もしも」の心配なく、犬との生活を楽しめるのです。

つまり、ただ保護犬を譲渡してもらうだけじゃなくて、そういう選択肢もあるんだということ。

個人でもできることは、ただ飼うだけじゃなくて、一時預かりだったり、保護施設にきて散歩だけでも手伝うこともできるということを知っていただきたいんです。

その他にも、こういう団体があるんだよ!と周囲に広めるだけでも、十分すぎるほどの役割を果たしてくださっていると思います。

例えば、今はインターネットが普及している時代ですから、FacebookなどのSNSでシェアするだけでも、その団体にとっては大変有り難いことなんです。

本当に自分で簡単にできることだけでもいいのではないでしょうか。

わんずぺ〜すでも「わんコインエイド」といって、月々500円からできる寄付もやっています。

毎月500円なら・・ということでサポートしてくださる方々もたくさんいらっしゃいます。

できる範囲のことを続ける…そういう行動が積り積もれば1頭でも多くの命を救うことに繋がっていくんです。

みなさん一人一人がこの問題に意識を向け、各自ができることをする…そういう力がなければ私たちの活動も続かないし、一頭一頭はそうやって救われているのだと思っていただきたいです。」



本当になんでもいい。例えば、パン屋さんをやっているのであれば、犬の顔のパンが1つ売れたら10円を寄付しますよとか。

ウチにポスター貼ってもいいですよとか。

そんなアイディアを考えるだけでも大変意味のあるものだと語る鈴木氏は、これからも多くの人が優しい気持ちで問題を解決しようとしていくことを願っている。

一人の飼い主としてでも、そういう形で関わっていくことだってできる。

個々のできる範囲で貢献していくということが一番だということである。

色んな人を巻き込むことで、確実に新しいムーブメントが生まれる

引用の出典元:tsunayoshi.tokyo

しかしながら、犬に関するものに限らずともボランティアというものは一般の人々にとって、どこか参加しづらい雰囲気があることも事実ではないだろうか。そのことに関して鈴木氏は、



鈴木:「一般の方がすごい入りずらいということはよく分かります。

やっぱり、人っていうのは楽しいこと、明るいことに引き寄せられるのですしね。

でも、それは決して悪いことじゃないと思っています。

例えば、あるミュージシャンがチャリティーイベントとしてライブを行ったとしても、そのミュージシャンが好きだから参加はするが、犬や猫のことは正直よく知らないや・・・という人でも、そのイベントに参加すること自体は全然OKなことだと思うんです。

とにかく足を運んでもらって、そこで思いっきり楽しんでもらって、

ついでに「あ、そうか。こんなことになってるんだな」「そういう趣旨でのチャリティだったんだね」って少しでも感じてもらうだけでいいと思うんですよ。

特定のことに関心を持ち続けることって、とてもエネルギーが必要だし、そもそも個人の思考にとても依存することなので、必ずしも全ての人が犬や猫のために何かをしていくってことは、現実として非常に難しいことです。

でも、好きなミュージシャンがイベントやってるから行ってみて、少しでも何かを感じてもらえたらそれでいいんじゃないでしょうか。

同じように企業さんもチャリティイベントを主催してみたりして、そこで生まれた収益を寄付に回すとかでも、結果的に救われる命が増えることに変わりないんです。

そして、メディアもそういうイベントを取り上げるなどしていく。

そうすることで色んな人を巻き込むことができて、確実に新しいムーブメントが生まれていきます。

犬に関する様々な問題も良い方向に向かっていくんじゃないでしょうか。

そしていつか、テレビを見てたりネットでバナー広告とかをみた時とか、何かのタイミングで「そういえば、保護犬ってのがあったなー」と当時参加した人が少しでも思い出してくれると、またそこで新しい動きが生まれるんじゃないかと思っています。

結局、イベントに参加した時には関心がなくても、ある日なにかのきっかけで急に関心を抱くということもあると思うんです。

このことは、今はそこまで関心のない人にも言えることなので、どうか頭の片隅にでもこういう話を入れておいてもらえると嬉しいですね。」

と述べた。

また、わんず〜ぺは子供がいる家庭にも面会を経て問題ないようであれば、積極的に譲渡をしているという。



鈴木:「こういう想いとかって世代で繋がっていくんですね。保護犬と暮らした子供達は、将来高い確立で保護犬とまた暮らそうと思ってくれたり。

そういう面で考えても、いま保護犬とか殺処分問題に関心がない人たちであっても、是非それらに触れられる場所に行ってみて欲しいし、私たちはそういう場をもっとつくっていくべきだと思っています。」




設立から4年、わんずぺ~すが目指すものは社会に仕組みを作ること。ただ保護施設を増やし、犬たちを収容することが解決ではないと考える。

大切なのは活動がきちんと継続していくことである。
そのための仕組みというものを私たちも考えていかなければならない。

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この記事を書いたライター

Tsunayoshi オオバやん
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