使役犬は何頭ぐらい必要なのかを数字から読み解く

引用の出典元:www.photo-ac.com

盲導犬や介助犬、聴導犬は、「使役犬」や「身体障害者補助犬」と呼ばれ、厳しい訓練を受けたのちに障がいを持つユーザーの手に渡ります。

障がい者の社会参加や生活レベルの向上に役立つ使役犬は、まったくもって数が少ないと言われていますが、本当にそうなのでしょうか?

「実労する使役犬の数」と「障がいを持つ人の数」のバランスはどのようになっているのかを調べてみました。

使役犬の実労頭数は思った以上に少なく、盲導犬950頭・介助犬68頭・聴導犬71頭となっています。(※身体障害者補助犬実働頭数(都道府県別)
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部 H29.9.1現在より


一方、身体障害者のうち視覚障がい者数は約31万人、聴覚・言語障害者数は34.3万人、肢体不自由者は176万人です。盲導犬のユーザーとなる一種一級視覚障がい者は約12万人と言われています。(平成18年身体障害児・者実態調査|総務省統計局より

まず、数字だけを見ると、障がい者が使役犬を使っている数がいかに少ないかがわかります。

ただし、当然と言えば当然ですが、全員が全員、盲導犬を使いたいと思っているわけではありません。白杖で十分と言う人や、犬よりも人間の介助を希望している人もいます。

聴覚障がいや肢体不自由者においても、聴導犬や介助犬を切に利用したいかどうかは視覚障がい者の気持ちと同じと推測します。

こうした全体像を見ると、今の日本で近々に必要と見込まれる使役犬の数は1,000~1,500頭。潜在希望者を合わせると、個人的には倍の3,000頭程度なのではないかと思われます。

潜在希望者の数を調べたところ、明確な数字はわかりませんでしたが、「コトバンク」には以下のように1万人程度と記されていました。

盲導犬ロボット
視覚障害者の歩行ガイドをするロボット。市街地で使用するタイプのロボットとしては最も早い段階で構想されたものの1つ。
盲導犬の利用希望者が1万人近いといわれるのに対し現在働いている盲導犬は1000頭に満たない、といった需給のアンバランスを解消する手だてとして期待されている。
また病院などへも立ち入り可能、といったメリットも期待できる。
(築地達郎 龍谷大学准教授 / 2007年)

出典:盲導犬ロボット(もうどうけんろぼっと)とは - コトバンク

ノーマライゼーションを裏切る盲導犬への虐待



障がいの有無にかかわらず、人が豊かに暮らせるようにと、国は「ノーマライゼーション(※)」を普及してきました。

※)ノーマライゼーションとは、障害のある人もない人も、互いに支え合い、地域で生き生きと明るく豊かに暮らしていける社会を目指す考えのこと。(参考:厚生労働省:障害福祉施策の考え方

そのおかげで、ほとんどのメイン道路や駅には「点字ブロック」が設置され、多くの店舗などに盲導犬などの使役犬が入れるような社会へと移行しています。

障がい者への思いやりの意識も高まる中、障がい者による使役犬への虐待や無関心さが問題視されているのです。

以前Tsunayoshiでも紹介した「盲導犬アトム虐待・行方不明事件」や、盲導犬ユーザーが駅構内で犬を蹴る行為などは、到底許されるはずがありません。

ユーザーは視覚障がいというハンデを抱える中で、事実、盲導犬に生活をサポートしてもらっているわけです。確かに健常者には障がい者の抱える苦悩を心底理解することはできません。

しかし、たとえ自身に苛立ちや不安、不満があったとしても、それを自分よりも弱い犬にぶつけてはいけないのです。それはもちろん、健常者であっても同じことが言えます。

少なくとも共に生きる人間としてノーマライゼーションの精神を多くの人が持っているからこそ、ここまで日本も住みやすくなってきているのではないでしょうか。

せめて、数も少なく大変な訓練を乗り越えてきた使役犬に対して、最大限の愛情と感謝の念を持って接してあげてほしいものです。

※蹴られていた盲導犬は『RESCUE JAPANESE ANIMAL VICTIMS (RJAV) 被災動物ネットワーク』の働きかけによりユーザーから引き揚げられ、再び同じユーザーに提供されることはありません。

今後このような虐待が行なわれないよう、RJAVでは第三者機関からのチェックや代替ツールの開発と提供などを関係各所に働きかけるとのこと。

盲導犬や使役犬は本当に必要なのか?

引用の出典元:www.youtube.com

また、盲導犬の訓練や提供を行う協会に対する世間からの批判や不信感もあります。

「天下り先になっているのではないか」
「犬が虐待されている事実を把握しても再度ユーザに提供する無神経さ」
「事故や事件が起きた際の問い合わせに対して誠意が見られない」

さらに、動物愛護の観点から、犬という動物への訓練の過酷さやストレス度を懸念する声も多数上がっています。

「不自由な状態のユーザーが犬の世話をするのは大変」
「ユーザー次第では排泄や食事量を我慢させられ、虐待につながりやすい」
「炎天下でも歩かされている犬が可哀想」
「本当に犬が人間の目の代わりになるのか?」

動物愛護の精神が日本社会に浸透することで、犬の幸せを求めるがゆえの発言がSNS上でも多く見られるようになりました。

しかし、SNSやインターネットの性質上、時には乱暴な発言で炎上することもあるのです。「盲導犬は要らない」と誰かが発言すると、それに対して「だったらお前が24時間付き添え!」という不毛な文字面に不快な感覚に陥る人もたくさんいます。

このような論議は本当の論議ではありません。互いの真意を理解しようとせず単に誹謗するだけでは、未来への展望が開けるはずがありません。

ただ、こうした清濁もろもろの意見を俯瞰してみると、使役犬など動物を含めて誰しもが「より良い社会、より楽しく生きられる社会、互いを尊重しあえる優しい社会」という"より良き未来"を望んでいることが見え隠れします。

盲導犬ロボットの開発や実用化も少しずつ始まっていますが、一層の加速が求められますね。

人間も動物も幸せな気持ちで生きたいから!

引用の出典元:www.photo-ac.com

21世紀になってからすでに17年。もう時代はAI(人工知能)やIoT(Internet of Things/物とインターネットの融合)などの登場により、過去の時代とはまったく違う"新時代"に突入しているのです。

過去に作られた習慣や制度にいつまでも縛られている必要もありません。今は22世紀に向けての過渡期です。

盲導犬の歴史は、世界では1916年から、日本では昭和14年(1939年)から始まりましたが、当時と現代とでは生活環境も人々の意識もすべてが大きく変化しています。

使役犬への様々な物議が醸される状況を冷静に判断すると、盲導犬や介助犬、聴導犬、災害救助犬などに頼ってきた時代が終わりを遂げようとしている証なのではないか、と感じます。

江戸時代から明治、大正、昭和へと変わる過渡期には、いつだって衝突や無理解が付きまとってきました。

今では当時は当たり前だったたチョンマゲも刀もありません。番犬が当たり前だった常識も、今では家族へと意識も変わりました。

国が強制的に決めてしまうことも多々ありますが、基本的には民意の反映がなされ、平成までこうして変化・進化してきたわけです。

平成も30年で終わるということですから、次の時代はどんな時代にしたいのかを一人一人がしっかりと意見を持つことに大きな意義があると思います。

使役犬に対して「不要」と考えるのであれば、代替となる盲導犬ロボットや災害ロボットの普及を支援する行動も大事でしょう。

使役犬ロボットの実用化が遅い背景には、何らかの既得権益があるのかもしれません。民意が積み重ねって大きなうねりを起こせば、既得権益にぶら下がる企業や団体は淘汰されていくはずです。

盲導犬への虐待が起きないように、貸与条件を厳しく求めるキャンペーンも立ち上がっています。自分で情報を探しアクションを起こして、誰もが望むような素敵な未来を作っていけたら良いですね。

誰だって幸せな気持ちで生きていきたいのですから!

■署名キャンペーン:盲導犬への虐待をやめさせる為に貸与条件を厳しく|動物虐待110番より盲導犬協会へ

■4足歩行で階段昇降!障害物も回避する!『盲導犬ロボット』
視覚障がい者に明るい未来を~若き開発者が生み出す“人を助ける”ロボット
日本精工 工学博士/飛田和輝 さん


■盲導犬ロボットをアメリカの学生が開発

引用の出典元:www.youtube.com

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