信頼関係を作るまでにすご~く時間がかかるタイプ

私がある団体で保護されている犬のリトレーニング&お散歩ボランティアをさせていただくことになって、初めて保護所を訪れた時のことです。

「スミちゃん」と呼ばれる犬に初めて会った時、とにかくこちらを警戒しているということがヒシヒシと伝わってきました。

ある程度大きさのある柵の中にいたのですが、私が少しでもその柵に近づくと動きをピタリと止めてじっとこちらを見つめていました。シッポを真横にゆっくりと振って微動だにせずに見つめているので私のことを非常に警戒して観察しているのだとわかりました。

初めて会う犬に対して、じーっと目を見つめることはご法度。特にスミちゃんのように、こちらに親しみの感情を見せていない犬であればケンカを売っているようなものです。

わかりやすく視線を外し、体の正面を向けないようにして少しずつ近づいてみました。
ある程度の距離で止まりスミちゃんの出方を伺います。警戒心を解かないようであれば少し離れ、こちらに関心を示す素振りがあればチラッと視線を送ってみたりして、お互い距離感を探りました。

結局その日は同じ保護所にいる他の犬に接したり、ボランティアの方と話をしたりして、直接スミちゃんに接触せず私の存在をさりげなくアピール。「私はスミちゃんに害を与えることは一切しません!」ということを伝えるためにも、私が保護所にいることに慣れてもらうようにしました。

これは少し時間がかかるかな…と思いつつ、「怖いけど気になる」という気持ちが丸わかりの様子をとても愛らしく感じました。

『怖いことは起きなかった』という経験を積み重ねる

私がやるべきことは今のままでは里親を探すことすらままならない…という保護犬たちの状況を少しでも打破することでした。

いわゆるしつけ=トレーニングというと、おすわりやふせ、待てなどの指示に従うことだというイメージがありますが、里親探し中の犬のリトレーニングではやるべきことが少し違います。

もちろんいずれはおすわりやふせなども教えていきますが、やはり重きをおくべきなのは人やさまざまな物に慣れさせること。特に一般家庭で暮らすことになったら必ず身近にあるはずのもの(人(団体や子供)・他の犬・生活音・車など)に、過剰反応して攻撃したり逃亡したりしないようにする必要があります。

そういったことが出来ていないとなかなか里親は見つかりにくく、新たな家庭にもらわれていったとしても問題行動が起きて戻されてしまうということも少なくないのです。

一度家庭にもらわれてまた戻されるというのは、犬にとって非常に酷なこと。心の傷をより一層深くしかねねいことなのです。そのため、里親を探す前に行うリトレーニングが非常に重要だと考えられているのです。

見知らぬ人、大きな音、慣れない道…あらゆるものを警戒して気を張って生きているスミちゃんには、「人との関わることは楽しいよ」「あなたは守られているよ」「世の中はそんなに怖くないよ」と伝えることを最初の目標として取り組み始めることにしました。

後編へ続く-

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この記事を書いたライター

Tsunayoshi MEG
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