バリ島で増加する犬肉食

引用の出典元:www.abc.net.au

中国や韓国で犬肉が食べられていることは有名ですが、インドネシアでも犬肉は貴重なタンパク源として昔から食べられていました。

とはいえ、年代は不明ですが非常に長い歴史があるわけではなく、キリスト教徒の少数民族が犬肉を持ち込んだことから始まったと言います。

衛生面や動物愛護の観点から、アジア諸国での犬肉食は減少傾向にあるものの、バリを含めたインドネシアでは増加しているというのです。

しかも、飲食店経営者や研究者、動物愛護活動家の意見によると、インドネシアほど犬食が一般的な国はないのだそう。

犬は不浄なもの、とするイスラム教徒が多い国にもかかわらず、戒律で犬食が禁じられていないことも一因となっています。


カナダ出身の動物保護調査の専門家でシンガポール在住のブラッド・アンソニーによれば、インドネシアでは今も、よほど特別な機会でなければ牛肉など買えないという人が多くいる。それでも犬や猫の肉ならば手が届くようになっているというのだ。

バリ動物愛護協会の創設者ジャニス・ジラーディは言う。「私たちの調査では、犬の肉を買っている人の60%は地元の女性だ。犬肉は体を温める効果が最も高く、かつ最も安価なタンパク源だと考えられている」。

出典:「犬肉」の消費が急増するインドネシアの衝撃 | The New York Times | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準


バリ島だけでも年間7万匹もの犬が食されている、これが現実です。インドネシア政府としては、犬は牛や豚と違い家畜ではないため、犬肉販売や食することなどに対する規制は一切行っていません。

鶏肉の代わりに犬肉を使った「サテイ」を販売

引用の出典元:www.abc.net.au

インドネシアのこうした現実を踏まえた上で、バリ島における「観光客騙し」の実態を見ていきましょう。

『ABC News Australia』と動物権利機関である『Animals Australia』は、インドネシア・バリ島で繰り広げられる犬肉業界の秘密を報道しました。

『Animals Australia』が食肉取引の現場を数カ月間に渡り調査したところ、観光客に犬肉で作られた焼き鳥(サテイ)を食べさせていることが判ったのです。

ビーチでくつろぐオーストラリアから来た観光客に、サテイを販売している証拠映像が『ABC News Australia』で放送されたのですが、その内容は衝撃的なものでした。

販売者「ミステリーバッグです、いかがですか?」
観光客「何?」
販売者「サテイ、焼き鳥です」
観光客「犬肉じゃない?」
販売者「違いますよ!」

観光客が犬肉ではないのか、と確認しているところを見ると、オーストラリア人はバリを訪れる前にそうした情報を得ているのでしょう。


引用の出典元:http://www.abc.net.au/

秘密裏に食肉取引の闇を調査していた捜査官は、販売者の男性に確認します。

捜査官「何を売っていたのですか?」
販売者「犬肉のサテイです」
捜査官「【RW】と書かれた犬の絵がありますもんね?」
販売者「そうだね」

※【RW】の文字が書かれた店は、犬の肉が提供されていることを意味します。

本来、サテイは牛肉や豚肉、仔羊、魚、または豆腐などで作られるそうです。しかし、バリ島南部のスミニャックのビーチでは、他の家畜よりも安価だとして、密かに犬肉を使ったサテイが販売されていたのです。

実は、こうした騙し販売はこのビーチのみならず、専門レストランでも行なわれています。何も知らない観光客は、目の前の料理に犬肉が使われていることを知らずに食べさせられているのです。

犬の堵殺は特別な風景ではない

引用の出典元:www.abc.net.au

『Animals Australia』の秘密捜査官は、こうした販売現場の裏で暗躍する、犬肉取引業者やバリ北部のキンタマーニの堵殺現場にも踏み込みました。

その結果、彼らは飼い犬を盗んだり野良犬を捕獲したりして確保していることが判りました。映像から推測すると、村人もお金と引き換えに犬を袋に入れて持ってきているようです。

犬肉になるのは成犬ばかりではなく、まだ2ヵ月程度の子犬も含まれます。キンタマーニに住む女性は、無造作に土のう袋に子犬を入れ、その様子を3歳程度の子どもたちも笑いながら見ています。

村中から集められた犬の入った土のう袋を犬肉取引業者が1カ所に集め、バイクに山のように積んで【RW】のレストランなどに運んでいくようです。

路上に並べられた袋が動き、犬の鳴き声が漏れているのはショッキングな場面でした。


引用の出典元:http://www.abc.net.au/

堵殺現場の映像には、まだ幼い少女が犬を抑えて手伝っている姿がありました。その後、大人たちが手慣れた手つきで首にワイヤーを掛け吊り上げます。

そればかりか、犬にシアン化合物という毒入りの食べ物を与え絶命させていることも判明しました。

恐怖と悲しみの中で絶叫して命を落とす犬もいれば、手足と口にテープを巻かれ絶命する犬たちも映されていました。

30年以上にも渡り何千匹も犬を堵殺してきた83歳の老人は、「週に12匹は殺す。しかし自分は犬を食べない」と語っています。

撮影者が通訳を介し「なぜ、こうした仕事を選んだのか」と老人に尋ねると、「別の仕事を見つけることはできない。それに歳を取っているから」と応えました。

この調査映像からは、バリでは決して犬の堵殺は珍しいものではなく、幼いころから見ている当たり前の風景であることが判ります。


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動物の調査員としてあらゆる残虐行為を撮影してきた担当者は「私は撮影のみに焦点をあてましたが、村で残酷に犬を捕まえる場面や犬たちの叫び声を撮り、大変疲れを感じました」と話しています。

さらに、子犬がシアン化合物入りの魚を食べて死んでいく様子は撮影しきれずに、これまでのキャリアで初めてカメラをオフにしたと言います。

そして、死んでしまった子犬を撫でながら、同じ人間の残酷さに申し訳ない、と謝っている自分がいたそうです。

犬食のリスクと根絶への道を模索

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オーストラリア・ニューサウスウェールズ州毒物情報センターのディレクターで、ロイヤル・プリンス・アルフレッド病院の毒物学の責任者であるアンドリュー・ドーソン博士は、健康リスクについて述べています。


シアン化合物は調理によって破壊されないので、犬の体全体にシアン化合物が存在しています。犬の肉のシアン化合物濃度は「吐き気、下痢、筋肉の痛み、息切れ」の軽度の症状を起こす可能性があります。

あなたが肉を何度も食べれば、それは実際に臓器の損傷や神経へのダメージを与えます。場合によっては、死に至ることすらあるのです。

犬のカレーがバリ島で売られていますが、犬または動物の胃や心臓の部分を含んでいた場合、本当に高濃度のシアン化物が取り込まれてしまうことが考えられます。

出典:Evidence shows dogs in Bali are being brutally killed and the meat sold to unsuspecting tourists - ABC News (Australian Broadcasting Corporation)

実際のリスクは、どれくらいの毒が犬の肉にあるかによって決まる、と博士は警鐘をならしています。また、2015年以来、狂犬病による死亡者が20人発生しており、犬肉からの感染も懸念されています。


引用の出典元:http://www.abc.net.au/

■ヒンドゥー教の霊的指導者グスティ・ングラ・ハルタ氏と息子

バリでの犬肉食を終わらせるために

バリ島の現実を知ったヒンドゥー教の指導者グスティ・ングラ・ハルタ氏はショックを受け、この現実を変えることを誓いました。

バリ島のヒンドゥー教の伝統では、犬は聖なる動物とみなされており、犬は友人であり愛すべき動物だと語ります。また、犬の肉を食べることも許されていないのだそうです。

ほかにも、バリ動物福祉協会(BAWA)や現地の動物保護団体も、バリの犬たちを保護する活動を続けています。

犬肉が鶏肉よりも安価だからと観光客を騙す行為や、毒物で汚染された肉で健康被害を与える行為はバリ法違反でもあります。

バリは、年間100万人以上のオーストラリア人が訪れる人気観光地です。『Animals Australia』としては、バリの犬肉にかかわる人々の生活に与える影響を考慮し、生活の不安がないような犬食根絶方法をバリ政府と模索しているとのこと。

私たちは植物や動物など、あらゆる存在の命をいただき直して生きています。だからこそ、せめてペットとして飼育される犬たちの命だけは食さなくても良いのでは、と改めて考えさせられました。

これからバリ島に観光に行かれる方は、くれぐれもサテイや肉料理には注意を払ってください。

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