動物が大好きだった女性獣医師

引用の出典元:www.chinatimes.com

台湾でも最難関といわれる国立台湾大学の獣医学部を、抜群の成績で卒業した簡稚澄(チェン)さん。

公務員試験にも合格し明晰な頭脳の持ち主だった彼女は、そのまま政府関係の仕事に就くことも可能でした。

しかし、大の動物好きでもあり獣医師の資格も取得していた彼女は、動物保護施設の管理者としての道を選択します。

しかし、この選択がのちに彼女を苦しめることになろうとは・・・。

動物保護施設の過密問題

引用の出典元:www.bbc.com

■施設ロビーに貼られた里親が見つかった犬たち(チェンさんによるもの)

チェンさんは、台湾北部にある桃園市(とうえんし)の動物保護施設で獣医師として就職します。犬のことを常に考える彼女は残業するのはしょっちゅうで、休日返上さえいとわずに働き続けました。

しかし、毎日のように連れてこられる捨て犬の数に対して、里親になってくれる人の数は圧倒的に足りません。施設には老いた犬や引取り手もない犬たちが溢れかえります。

そのまま全頭飼育することは施設内のキャパの問題や病気が蔓延する危険があるため、動物保護施設では不本意ではあるものの安楽死させるのが最善策だった、と言います。

恐らく施設自体が国営で終生飼育するための施設ではなかったと思われます。しかし、当施設は国内での安楽死率は低いほうで、里親に引き取られる率も高いほうでした。

それでも、チェンさんは2年間で700匹という犬たちを安楽死することになるのです。動物の命を救うための勉強をしてきたチェンさんの心中は察するに余りあります。

メディア出演が彼女を追い詰めていく

引用の出典元:www.bbc.com

■涙ながらにチェンさんの犬への献身ぶりを語る同僚

犬への矛盾した気持ちを抱えたチェンさんは、地元CITテレビからインタビューを受けることになります。

初めて犬の殺処分に関わった時のことを「私は家に帰ると、一晩中泣き明かしました」と語りました。

そして、殺処分の手順についても語ります。

「私たちは最初に散歩させ軽い食事を摂らせて犬に話しかけます。それから『人道的な部屋』に連れて行くんです」

「彼を台の上に乗せると恐怖で全身が震えているんです。しかし、私たちが薬物を投与すれば、3秒から5秒後には震えは止まります。本当に悲し過ぎます」

メディアに対して、犬の殺処分に携わる者としての心中を告白した彼女でしたが、一部の歪曲した視点を持つ動物保護団体の人間は「美しき屠殺人」「美しき死刑執行者」と、誹謗中傷の言葉を浴びせかけたのです。

その時のことを、同僚は「私たちは怒鳴りつけられたり、地獄に落ちるだろうと言われたりします。私たちが喜んで殺しているとか、残酷だとか。だけど、犬は毎日のように捨てられているのです。犬が狂暴だとか、鳴き声がうるさいとか、ちゃんと吠えないなど人間の身勝手な理由が付けられて」と涙ながらに語ります。

チェンさんは、メディアに対して施設や安楽死の現状について知ってほしかっただけでした。そこから何かが変わることを期待していたはずです。

しかし、これを機に、彼女はプレッシャーと自責の念に追い詰められていくのでした。

命と引き換えに伝えたかったメッセージとは?

引用の出典元:www.bbc.com

2016年5月5日、チェンさんはあまりにも悲しい選択をしてしまいます。自分が犬たちに使っていた安楽死させる薬品を自らの体に注射したのです。

昏睡状態に陥ったのち、そのまま息を引き取りました。31歳という短い人生でした。そして、彼女の遺書にはあまりにも辛いメッセージが遺されていました。

「捨て犬や迷子犬がどんな目に遭うのか、台湾の人たちに理解してほしい。私の死を通して動物にも命があることをわかってもらいたい。政府には抜本的な問題解決をお願いしたい」

彼女は、自らの手で安楽死させた犬たちを強く抱きしめていたと言います。そんな日々のプレッシャーで、彼女の心はすでに限界を超えていたのかもしれません。


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引用の出典元:www.bbc.com


台湾は10年前に比べると、かなり良い方向に変化してきていると言いますが、2015年には約1万900匹が処分されています。

2017年2月、台湾では保護施設の動物たちの殺処分を廃止する法律が施行されました。当局は、「チェンさんの死は単なる個人的な悲劇であって、新法との直接的な関係はない」としています。

政府として、今後は保護施設への予算増や心理カウンセリングを行うとしています。しかし、犬の販売、不妊・去勢、終生飼育への意識向上など、根本的な原因を解決するには問題は山積みです。

こうした悲劇はどの国で起きても不思議ではありません。チェンさんの死を無駄にしないためにも、人間は動物の命の重さを深く認識するべきなのではないでしょうか。

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この記事を書いたライター

Tsunayoshi ひまわり
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