「家庭犬」として愛される喜びを感じさせてあげたい

私がお散歩やリトレーニングで協力させて頂いている保護団体には、大型犬や雑種、老犬いったいわゆる「里親が見つかりにくい」とされる犬がたくさんいました。

里親が見つからなければ、保護施設でボランティアさんたちにお世話をしてもらいながら暮らしていくことになります。もちろん、殺処分されてしまう状況から抜け出せたことは幸運ではありますが、やはり家庭犬が当たり前のように持つ幸せを感じる機会は少ないでしょう。

保護団体の代表の方は「この子たちは里親が見つかりにくい条件だとわかっているけれど、少しでも希望を持ちたい。諦めたくない。」と言って、私にリトレーニングを任せて下さいました。

また、施設にいる犬を1頭でも多く家庭に送り出すことで、今この時に命が奪われそうにある犬を引き受けたい…という思いがあるようでした。

個人で動物を飼育する数に限界があるように、保護団体で引き取ることにも限界があります。後先を考えず引き取ることは、へたをすれば資金難や人手不足から「現場崩壊」を起こして新たな飼育放棄犬を生み出すことになるのです。

「おとなしすぎて役に立たない」

全ての犬に幸せになって欲しいと願いますが、過去のつらい思いから極度の怯えや激しい攻撃性を見せる犬は正直新しい家庭を探すのは困難だと感じることもあります。

しかし、そこで出会ったりょうたろうという犬は「今、家庭にいても問題ないだろう」と思うほど穏やかな雰囲気を持つかわいい子でした。

確かに体の大きな雑種でちょっぴり強面、どんな家庭でも飼いやすいとは言い難いものの、家庭犬向きと言える穏やかな性格を持っているように見えました。

しかし、その後聞いたりょうたろうが保護されている経緯は不運としか言いようがないものでした。

赤ちゃんの時に兄弟犬とともに愛護センターに持ち込まれ、保護団体に引き出されました。子犬ということもあり、比較的すぐに里親が見つかりましたが最初にもらわれた家で「顔を見るとイライラする」と叩かれたりしていたようで、それに気がついた保護団体のスタッフにより再度連れ戻される形となりました。

交渉の末施設にようやく戻せた時には、りょうたろうを叩いていた人の姿を見るだけで失禁するようになっており、穏やかだった性格は「臆病」に形を変えていたそうです。

その後もトライアル(里親のお試し期間)などの機会はあるものの「吠えないから番犬にならない」などという理由で返されてしまったり、なかなか家庭に恵まれずに何年もの時間が経ってしまいました。

小さな自信を積み重ねることで恐怖心を取り除く

そんなりょうたろうにすべきことは、人間への不信感を少しでも取り除くことと自信をつけることでした。

りょうたろうは一見落ち着いているように見えましたが、近くにいる人間の反応を極端に気にして、自分の行動に自信を持てず常にビクビクしていました。
「これをしたら叩かれるかな?」とドキドキしながら、そーっと誰にも気付かれないように生きようとしているようでした。

りょうたろうにはまず自由を与えてどんな行動を取っても、ニコニコ笑って見守ってみることにしました。色々なことに興味を示していましたが、その段階で「ダメ!」など否定的なことを言うとすぐに心を閉ざして固まってしまいそうな繊細さを持っているように見えたからです。

時間をかけて「私はあなたを否定しないよ」ということを伝えつつ、こちらに関心を示したタイミングでおすわりなど簡単な指示を出します。

スモールステップでとにかくほめながらおすわりやふせを教えていくと、りょうたろうの顔がどんどん変わり、まさに「笑顔」のような明るい表情を見せるようになりました。

何かにつけて否定されてきたりょうたろうは、“自分が行動することでほめられる”ということをとても喜び、意欲を見せるようになりました。

私の顔を覗き込んで「もっと何か教えて!」「次は何をする?」と指示を待つようになった姿を見て、この素直さは家庭犬としてもすばらしい素質だなと改めて感じました。

「人が好き」という気持ちを素直に表せるように♪

こわばった表情でいつもビクビクしていたりょうたろうの表情が、見る間に明るくなり、「なでて」と背中をくっつけてきたり愛情表現をし始めた姿を見て、非常にうれしい思いでいっぱいになりました。

保護団体の方も「こんなにかわいい顔をする子だったのね」と、急激な変化に驚くほどでした。

とはいえ、大きな音や人の急な動きなどに対し怖がる様子などのまだ見られます。それでも、りょうたろうはスポンジのようにたくさんのことを吸収しながら、怖い気持ちを乗り越えようと頑張っています。

いつの日か自分だけを見て、無条件に愛してくれる素敵な家庭にめぐりあえる日まで、りょうたろうの成長は続くことでしょう。

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